消防士を辞めたい。当直がきつい、体力が続くか不安、将来が見えない。だが、消防の経験は民間で使えるのか。どこなら採ってくれるのか。年収はどうなるのか。
先に言う。消防士から民間への転職は、「消防の経験は民間で使えない」が誤解だ。防災、救急、危機の対応、体力、チーム、資格。訳せば通る先は決まっている。ただし年収は手当の分が下がる。線を先に決めろ。現実、通る先、経験の訳し方、資格、退職の注意、志望動機、面接、年収、年代の差、家族、辞めない判断を書く。
先に一文で。消防士から民間への転職は企業の防災と安全の担当・防災設備と消防設備の会社・警備会社の管理・救急救命士の資格を使う民間救急と医療機器・ビルメンテナンスと施設管理・ドライバーと物流・不動産と保険の営業・団体職員と他の公務員が通る先で、災害の現場を緊急時の判断に救急を医療の知識と冷静さに予防と査察を法令の運用と点検に訓練を組織で動く力に住民への指導を説明する力に訳し、資格をそのまま売り、当直と出動の手当がなくなる分を含めて年収の線を出し、退職の申し出の時期と退職金の区切りを確かめ、志望動機に組織の悪口を書かず経験を訳して次で何をするかを書くのが正解だ。
この記事の要点
- 通る先は決まっている
- 経験は6つに訳せる。資格はそのまま使える
- 年収は手当の分が下がる。線を先に
- 年齢と階級で先が変わる
消防士の転職の現実
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 見られ方 | 「民間の経験がない」と見られる。訳さないと通らない |
| 訳せる経験 | 防災、救急、危機の対応、法令と点検、体力とチーム、指導 |
| 資格 | 救急救命士、危険物、消防設備士、大型免許。そのまま使える |
| 年収 | 当直と出動の手当がなくなる分、下がる |
| 辞める理由の典型 | 当直の生活のリズム、体力の不安、閉じた人間関係、将来(階級と年収の先が見える) |
警察官からの転職と型は近く、線は警察官から民間への転職に書いた。消防士は、防災と救急と設備の知識が強く、企業の安全と施設の側に通りやすい。
通る転職先
| 先 | なぜ通る | 年収 | 年代 |
|---|---|---|---|
| 企業の防災・安全の担当 | 工場や大きな施設の防災と安全の管理。消防の経験が直接使える | 400〜500万円 | 30代〜40代 |
| 防災設備・消防設備の会社 | 消防設備士と査察の経験。点検と工事の管理と営業 | 400〜500万円 | 全年代 |
| 警備会社の管理と教育 | 規律と緊急時の対応。警備員の教育 | 350〜450万円 | 30代〜40代 |
| 民間救急・医療機器メーカー | 救急救命士の資格。患者の搬送、医療機器の説明 | 350〜500万円 | 20代〜30代 |
| ビルメンテナンス・施設管理 | 危険物と設備の知識。防火管理 | 350〜500万円 | 全年代 |
| ドライバー・物流 | 大型免許と体力 | 300〜400万円 | 全年代 |
| 不動産・保険の営業 | 体力と規律と、消防士への信頼 | 350万円+歩合 | 20代〜30代 |
| 団体職員・他の公務員 | 試験。公務員の経験の近さ | 公務員に準じる | 年齢の線 |
施設管理は、消防の予防と査察の経験がそのまま使える先で、線は施設管理への転職に書いた。防火管理と法定点検の側から入れる。
経験の訳し方
| 消防の経験 | 民間の言葉 | 数字 |
|---|---|---|
| 災害の現場(火災・救助) | 緊急時の判断と対応、危機管理 | 出動した件数 |
| 救急 | 医療の知識、緊迫した場面での冷静さ、患者と家族への対応 | 出動した件数、処置の種類 |
| 予防と査察 | 法令の運用、建物と設備の点検、事業者への指導 | 査察した件数 |
| 訓練と規律 | 組織で動く力、体力、手順の順守 | 勤務の年数、訓練の種類 |
| 住民への防災の指導 | 人前で説明する力、資料の作成 | 指導した回数と人数 |
| 後輩の指導 | 教育、マネジメント | 指導した人数 |
| 当直と交替勤務 | 体力と時間の管理、夜間の対応 | 年数 |
公務員の職務経歴書の書き方は公務員から民間に転職して後悔する理由7つの元になる記事に書いた。消防士は、この表と資格で書く。
資格の活かし方
| 資格 | 使える先 |
|---|---|
| 救急救命士 | 民間救急、医療機器メーカー、介護施設、イベントの救護、企業の健康管理 |
| 危険物取扱者 | ビルメンテナンス、施設管理、工場の安全、ガソリンスタンドの管理 |
| 消防設備士 | 防災設備の会社、ビルメンテナンス、施設管理 |
| 大型免許・大型特殊 | ドライバー、物流、建設 |
| 潜水士・重機 | 建設、海洋、インフラの点検 |
| 防火管理者(講習) | 施設管理、店舗と施設の管理 |
消防で取った資格は、民間の求人票の「歓迎資格」にそのまま載っている物が多い。資格を持っていることを、職務経歴書の上に書く。
退職の注意
| 注意 | 中身 |
|---|---|
| 退職の申し出の時期 | 人事の異動の時期(春)に合わせる。年度末なら前年の秋〜年末までに上司へ。当直の編成に影響するので早く |
| 退職金と共済 | 勤続年数の区切りで額が変わる。区切りの直前なら待つ判断 |
| 守秘義務 | 出動の中身(個人の情報)は書かない。職務の種類と件数は書ける |
| 引き止め | 強い。人手が足りない。意思が固いなら退職日を動かさない |
| 貸与品 | 制服と装備の返却 |
| 副業と兼業 | 在職中の副業は規制。線は警察官・消防士・自衛官の副業に書いた。転職活動そのものは問題ない |
志望動機の型と例文
型は3つの文。1.消防の経験のうち、その職種で使える物を訳して。2.なぜ民間で、その職種か。3.その会社で何をするか。組織の悪口は書かない。
企業の防災と安全の担当の例。「消防士として◯年、火災と救助の現場に◯件出動し、予防では事業所の査察を◯件担当しました。事故が起きた後に出動する側から、事故を起こさない側に立ちたいと考え、貴社の防災と安全の担当を志望しました。現場と査察の経験を、工場の防災の体制と、社員の安全の教育に使いたいと考えています」。
防災設備の会社の例。「消防士として◯年、予防の担当として事業所の消防設備の査察を◯件担当し、消防設備士の資格を持っています。設備を点検する側の経験を、設備を設置して維持する側で使いたいと考え、貴社を志望しました。査察で見てきた不備の傾向を、点検と提案の質に活かしたいと考えています」。
面接で聞かれること
| 質問 | 答え方 |
|---|---|
| なぜ消防を辞めるか | 組織の悪口を言わない。「消防の経験を、◯◯の立場で使いたい」を事実で |
| 民間の働き方に合うか | 「利益と数字で動く組織だと理解している。消防でも査察の件数と訓練の成果を追っていた」 |
| 当直がなくなって物足りなくないか | 「生活のリズムを整えて長く働きたい。緊急時の対応の力は、防災の担当で使う」 |
| 年下の上司 | 「問題はない。階級の組織で、年下の上司の下で働いた経験がある」 |
| 体力 | 勤務と訓練の実績で |
| 数字の圧(営業へ) | 「目標の中身が納得できれば追える」 |
年収の現実
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 消防士の年収 | 30代で500万円前後。当直と出動の手当を含む |
| 同じか少し下がる先 | 企業の防災と安全、施設管理、防災設備の会社、団体職員と公務員 |
| 下がる先 | 警備会社の管理、ドライバー、民間救急 |
| 上にも下にも振れる先 | 不動産と保険の営業 |
手当の分は確実に下がる。世帯の固定費から線を出し、退職金と共済の差を含めて比べる。
20代30代40代の差
| 年代 | 通る先 | 判断 |
|---|---|---|
| 20代 | 全部。営業、施設管理、物流、民間救急の入口が広い。他の公務員の試験も | 動くなら幅が広い |
| 30代 | 企業の防災と安全、防災設備の会社、施設管理、警備の管理 | 経験と資格を訳して専門へ |
| 40代 | 警備会社の管理職、企業の防災の責任者、施設管理の責任者 | 階級(司令補以上)の経験を売る。求人は少ない |
| 50代 | 施設管理、警備会社の管理職、防災の顧問 | 退職金と年金の線で。定年まで残ることも含めて |
家族への説明
消防士の安定と手当を手放すことに、家族の不安は大きい。年収の線(手当がなくなる分と、退職金と共済の差)を数字で出し、転職先の実態(残業・評価・安全)を並べ、時期(人事の異動・子どもの学校)を決めて話す。当直がなくなって家にいる時間が増えることは、家族にとっての利点として伝える。
辞めない判断
| 残る方がいい場合 |
|---|
| 辞めたい理由が今の署の人間関係で、異動で解決する可能性がある |
| 退職金の区切り(勤続20年など)が近い |
| 年収の線を下回る転職先しかない |
| 昇任の試験が近く、階級が上がれば予防と管理の側に回れる |
| 体力の不安が理由なら、予防や指令の部署への異動で解決することがある |
残るなら、異動を願い出て、昇任の試験を受け、資格(消防設備士・危険物・防火管理)を増やして、転職の先を広げておく。
よくある質問
消防士から救急救命士の資格で医療の仕事に就けるか
病院での就業は制度上限られる。民間救急(患者の搬送)、医療機器メーカー、介護施設、イベントの救護、企業の健康管理室で使える。
自衛官と警察官からの転職と何が違うか
自衛官は再就職の支援の制度と任期がある。警察官は法令と調査で危機管理とコンプライアンスに強い。消防士は、防災と救急と設備の知識で、企業の安全と施設の側に強い。
元消防士を歓迎する求人はあるか
ある。防災設備の会社、企業の防災と安全、警備会社の管理、施設管理。「元消防士歓迎」の求人は、中身を見る。現場の警備員とドライバーの求人にも同じ言葉がある。
転職の資料をLINEで無料配布中
消防士から民間への転職の通る先の表(8職種の年収と年代)、消防の経験を訳す表(数字の欄つき)、資格の使える先の表、退職の注意の確認項目、志望動機の型と面接の6つの質問の答えを公式LINEで無料配布している。訳せば通る。手当の分の線は先に決める。

