60歳の定年が近い。会社は再雇用を勧めてくる。だが、給料は6割になる。年下の元部下の下で働くのも気が重い。断ったらどうなるのか。失業保険は出るのか。
先に言う。再雇用を断っても、失業保険は給付制限なしで受け取れる。定年退職の扱いで、自己都合の2ヶ月の待ちはない。断った後の制度、伝え方、探す仕事、年収の比べ方を書く。
先に一文で。定年後の再雇用を断っても定年退職として扱われ、失業保険は給付制限なしで雇用保険20年以上なら150日受け取れるが、65歳以降の退職は50日分の一時金になるので64歳までに判断し、再雇用の給料が5〜7割に下がる相場と転職先の年収を比べ、定年の3〜6ヶ月前に書面で伝えるのが正解だ。
この記事の要点
- 断るのは自由。定年退職の扱いで、失業保険は給付制限なし
- 給付日数は20年以上で150日。65歳以降は一時金になる
- 再雇用の給料は5〜7割。転職の年収と比べて決める
- 伝えるのは定年の3〜6ヶ月前に、書面で
断った時の失業保険
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 離職の扱い | 定年退職。再雇用を断っても自己都合の給付制限はない |
| 待期 | 7日 |
| 給付日数 | 雇用保険20年以上で150日、10〜20年で120日、1〜10年で90日 |
| 日額 | 退職前6ヶ月の賃金から計算。60〜64歳は上限が低め |
| 年齢の線 | 65歳の誕生日の前々日までに退職。65歳以降は高年齢求職者給付金(一時金50日分) |
定年退職は、自己都合でも会社都合でもなく、「定年」の理由で扱われる。2ヶ月の給付制限がないのが、通常の自己都合との違いだ。65歳以降の一時金は65歳以上の高年齢求職者給付金、日額の計算は失業保険の日額早見表に置いた。
再雇用の給料の相場
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 給料 | 定年前の5〜7割。年収600万円なら300〜420万円 |
| 雇用形態 | 嘱託・契約社員。1年更新 |
| 仕事の内容 | 同じ部署で補助的な役割か、後進の指導 |
| 高年齢雇用継続給付 | 60歳時点の75%未満に下がった場合に支給。2025年4月以降、給付率が縮小(最大15%→10%) |
給付の縮小で、再雇用の手取りは以前より減っている。中身は定年後の再雇用の給料と給付の縮小に書いた。
再雇用と転職の比べ方
| 再雇用 | 転職 | |
|---|---|---|
| 年収 | 5〜7割 | 同業の嘱託・中小の管理職なら同じか上。施設管理・警備・ドライバーなら300万円前後 |
| 通勤・人間関係 | そのまま。楽 | 新しく作る |
| 仕事の内容と扱い | 変わる。元部下の下、補助的な役割 | 経験を活かせる求人なら、扱いは上 |
| 65歳以降 | 多くは65歳で終了 | 続けられる職場を選べる |
| リスク | 低い | 決まらない可能性 |
年収だけでなく、65歳以降も続けられるかで比べる。再雇用は65歳で終わることが多く、そこから探すより、60歳で探すほうが選択肢は多い。50代60代の転職の現実は50代の転職の現実へ。
断る理由の伝え方
定年の3〜6ヶ月前に、上司と人事に書面で伝える。
定年後の継続雇用について、受けずに、定年をもって退職いたします。長い間お世話になりました。
理由は詳しく言わなくていい。聞かれたら、「次の仕事を決めているため」「家族の事情のため」で足りる。会社への不満は言わない。退職後に、離職票の理由が「定年」になっていることを確認する。
断ってから探す仕事
| 仕事 | 中身 | 年収の目安 |
|---|---|---|
| 同業の嘱託・顧問 | 経験を活かし、週3〜4日 | 300〜500万円 |
| 地域の中小企業の管理職・管理部門 | 大手の経験を求める中小は多い | 350〜500万円 |
| 施設管理・マンション管理員 | 資格があれば入りやすい。60代も多い | 250〜350万円 |
| 警備・ドライバー | 枠が多い。体力と時間の条件で | 250〜350万円 |
| シルバー人材センター・短時間の仕事 | 65歳以降の入口 | 月数万円 |
| 独立・業務委託 | 専門性があれば | 幅がある |
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よくある質問
再雇用を一度受けて、途中で辞めたら失業保険はどうなりますか?
再雇用中の退職は、契約期間の満了なら給付制限なし、途中の自己都合なら給付制限がつく。65歳の前々日までに辞めれば通常の給付、65歳以降は一時金になる。
再雇用を断ると、退職金は減りますか?
減らない。退職金は定年時に確定して支払われ、再雇用の有無で変わらない。再雇用中は退職金の積み増しがないことが多い。
再雇用の条件を、交渉できますか?
できる。会社は再雇用の義務があるが、条件は就業規則の範囲で交渉の余地がある。仕事の内容、日数、給料を、定年の6ヶ月前に人事と話す。断る前に、条件を聞いてから決めてもいい。
出典(一次資料)
- ハローワーク「基本手当の所定給付日数」「定年退職者の取扱い」
- 高年齢者雇用安定法第9条(65歳までの雇用確保措置)
- 厚生労働省「高年齢雇用継続給付の見直し(令和7年4月)」
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