50代で転職先を探している。転職サイトに登録しても、届くのは20〜30代向けの求人ばかり。エージェントは面談すら断られた。残っているのはハローワークだが、本当に使えるのか。

即答する。使える。ただし向いている求人と向いていない求人がはっきり分かれる。どこで強く、どこで弱いか、使い方の手順、民間との使い分けを書く。

先に一文で。50代の転職でハローワークは、地元の中小企業・人手不足職種・年収300〜450万円帯の求人と職業訓練では最も強い入口で、年収500万円以上や専門職では弱いので、その帯はエージェントと求人サイトを併用するのが正解だ。

この記事の要点

  • ハローワークは50代の求人が民間より多い。特に地元の中小と人手不足職種
  • 弱いのは年収500万以上・管理職・専門職。ここは民間を併用する
  • 使い方は求職申込→職業相談→求人検索の3段階。相談員は選べる
  • 職業訓練は50代でも使える。失業保険と組み合わせる

50代にハローワークが向いている理由

エージェントは企業から成功報酬をもらう仕組みなので、採用されにくい層には求人を紹介しない。50代で面談を断られるのは、あなたの能力ではなく、この仕組みの結果だ。

ハローワークは掲載無料で、企業側に年齢のフィルターをかける動機が薄い。だから50代を採る前提の求人が、民間より多く残っている。特に次の3つだ。

求人の種類ハローワークでの出方理由
地元の中小企業多い採用予算が少なく、ハローワーク中心で募集する
人手不足職種(介護・運輸・施設管理・警備・清掃)多い年齢より人数。50代の採用実績がある
職業訓練つきの求人ある訓練修了者を採る前提の求人
年収500万円以上・管理職少ない企業が有料のエージェントで探す
専門職(IT開発・企画)少ない同上

50代の転職で最初に決めるのは、自分がどの帯を狙うかだ。年収400万円台までなら、ハローワークを主にする。500万円以上を維持したいなら、ハローワークだけでは足りない。

厚生労働省の令和2年転職者実態調査では、転職活動の方法としてハローワーク等を使った人は50〜54歳で45.1%、60〜64歳で47.1%と、年齢が上がるほど増え、50代以上では最多の経路になる。民間の職業紹介は50代後半で10.4%まで下がる。エージェントが50代を断りやすい仕組みが、そのまま利用率に出ている(年代別の内訳)。

使い方の手順。3段階で終わる

1、求職申込。窓口かオンラインで登録し、ハローワークカードをもらう。オンライン登録だけでも求人検索はできるが、窓口で登録すると相談員がつく。50代は窓口で登録する。

2、職業相談。予約して相談員と面談する。ここで希望条件と経歴を伝えると、公開されていない求人の紹介や、応募前の企業への問い合わせをしてもらえる。履歴書の添削と面接対策もここで受けられる。

3、求人検索と紹介状。気になる求人が見つかったら、相談員に紹介状を出してもらって応募する。ハローワーク経由の応募は、企業側に採用時の助成金が出る場合があり、それが50代の採用の後押しになる。

相談員には当たり外れがある。合わなければ変更を申し出ていい。見分け方はハローワークの相談員の当たり外れに書いた。

求人票の見分け方。2点で足りる

質が悪いと言われる求人は、見分けられる。

  1. 記載の細かさ。残業時間の実績、賞与の実績(月数)、離職率や平均勤続年数が書いてある求人は、隠すものが少ない
  2. 掲載期間。同じ求人が半年以上出ている会社は、辞める人が多いか、条件が悪くて決まらない

この2点で切ると、残る求人は多くない。だが残った求人は、民間サイトの同条件の求人より50代に開いている。ハローワークの求人の質の詳細は別記事に書いた。

職業訓練という経路

50代で未経験の職種に移るなら、職業訓練を挟む経路が現実的だ。年齢制限はなく、介護・建設・IT基礎・経理・医療事務などのコースがある。

  • 失業保険を受けながら受講できる。条件を満たせば受講中は給付が延長される
  • 受講料は原則無料(テキスト代は自己負担)
  • 修了後に、訓練校が企業とつながっている場合がある

50代の未経験転職は、経験の翻訳だけでは通らない職種がある。訓練で基礎を作ってから出すと、応募先の見方が変わる。使い方はハローワークの職業訓練の記事へ。

民間との使い分け

入口50代での強さ使う場面
ハローワーク強い地元・人手不足職種・年収450万まで・職業訓練
ミドル向けエージェント年収500万以上・管理職経験がある人
求人サイト(ミドル特化)自分で探せる人。応募数で勝負する場合
知人の紹介最強50代の転職で最も決まりやすい経路。使えるなら最初に使う

ハローワークとエージェントの違いは別記事に詳しく書いた。50代は1つに絞らず、ハローワークを土台にして、狙う帯に応じて民間を足す。

3分で診断エージェント診断——50代の経歴で面談を受けてくれる窓口のタイプを先に絞る。

リストラや早期退職の後なら

会社都合で辞めた50代は、失業保険の給付日数が長く(被保険者期間20年以上で最大330日)、ハローワークでの手続きと転職活動を同時に進める。給付を受けながら職業訓練に入る組み合わせが、50代では最も使われている経路だ。順番は50代でリストラされた後の動き方に書いた。

転職サイトとの使い分けはハローワークと転職サイトはどっちがいいかだ。

よくある質問

ハローワークは混んでいて、待ち時間が長いです

平日の午前中と月曜は混む。火〜木の午後が比較的空いている。職業相談は予約制なので、予約を先に入れて、待ち時間は求人検索に使う。

50代でハローワークから応募して、書類で落ち続けます

応募先の帯が合っていない可能性が高い。相談員に「50代の採用実績がある会社」を聞いて、そこに絞る。ハローワークの相談員は、企業の採用実績(年齢層)を把握していることが多い。

ハローワーク経由の応募は、企業に「安く採れる人」と思われませんか?

思われない。中小企業にとってハローワークは標準の採用経路で、経路で人を見ていない。むしろ助成金の対象になる場合があり、採用の後押しになる。

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