失業保険が出ない。雇用保険に入っていなかった、加入期間が足りない、もう受け終わった。それでもまだ次が決まらない。何もない状態で、どうやって食いつなぐのかが分からない。

訓練を受けながら月10万もらえる制度がある。失業保険がなくても、訓練を受けながら月10万もらえる制度がある。対象と、要件と、訓練の種類と、申込の手順を書く。

先に一文で。求職者支援制度は、基本手当を受けられない人が無料の職業訓練を受けながら月10万円+通所手当を受け取れる制度で、本人の収入月8万円以下・世帯収入月30万円以下・金融資産300万円以下・全訓練日の出席が要件、訓練は基礎(PC・経理)と実践(Web・IT・介護・医療事務)で2〜6ヶ月、給付の要件を満たさなくても訓練は無料だ。

この記事の要点

  • 対象|雇用保険に入っていなかった人、加入期間が足りない人、受け終わった人、廃業した人
  • 給付|月10万円+通所手当(交通費)+寄宿手当(月10,700円)
  • 要件|本人収入 月8万円以下、世帯収入 月30万円以下、資産300万円以下、全日出席
  • 訓練は無料。給付の要件を満たさなくても受けられる

対象になる人

状況対象か
週20時間未満のパート・アルバイトで雇用保険に入っていなかった対象
加入期間が足りず基本手当を受けられない(自己都合で12ヶ月未満)対象
基本手当を受け終わったが、まだ就職できていない対象
業務委託・フリーランス・自営業を廃業した対象
学校を出て就職しなかった対象
基本手当を受給中対象外(公共職業訓練のほうを使う)

フリーランスを廃業した人が使えるのは知られていない。雇用保険に入れないまま働いてきた人の受け皿になる(フリーランスから会社員に戻る記事)。

給付の要件

要件内容
本人の収入月8万円以下(シフトや副業の収入を含む)
世帯の収入月30万円以下
世帯の金融資産300万円以下
不動産現在住んでいるところ以外に土地・建物を持っていない
出席全ての訓練日に出席(やむを得ない理由でも8割以上)
その他同世帯に同時受給者がいない、過去6年以内に受けていない、ハローワークの就職支援に従う

出席の要件が厳しい。1日でも無断で休むとその月の給付が出ない。給付の要件を満たさない場合でも、訓練は無料(テキスト代1〜2万円のみ自己負担)で受けられる。

訓練の種類

コース内容期間
基礎コースビジネスパソコン(Word・Excel)、ビジネスマナー、経理の基礎、ITリテラシー2〜4ヶ月
実践コースWeb制作・Webデザイン、プログラミング、ネットワーク・セキュリティ、介護福祉、医療事務、営業・販売、簿記、デザイン、動画編集3〜6ヶ月

未経験から職種を変える時の入口になる。移る先の職種の年収は職種別・年代別の平均年収のデータ記事、求人の多さは職業別の有効求人倍率のデータ記事で確認してから選ぶ。

雇用保険の公共職業訓練との違い

求職者支援訓練公共職業訓練(ハロートレーニング)
対象基本手当を受けられない人基本手当の受給者
訓練中のお金月10万円+通所手当(要件を満たす場合)基本手当が延長支給+受講手当(日500円)+通所手当
給付制限自己都合の給付制限(1ヶ月)が解除される
受講料無料(テキスト代のみ)無料(テキスト代のみ)

基本手当を受けられる人は公共職業訓練のほうが有利(給付制限が解除され、訓練期間中は手当が延びる)。受けられない人が求職者支援訓練を使う(失業保険はいくらいつからかの記事ハローワークの職業訓練は転職に有利かの記事)。

申込の手順

  1. ハローワークで求職の申込をする
  2. 職業相談で、訓練が必要かを判断してもらう(就職支援計画)
  3. コースを選び、訓練実施機関の選考(面接・筆記)を受ける
  4. 合格したら受講あっせん。給付の要件を確認して支給申請
  5. 訓練中は月1回、指定された日にハローワークで職業相談を受ける

申込から訓練開始まで1〜2ヶ月かかる。離職が決まった時点で相談に行く。訓練中に就職が決まって中退しても不利益はなく、就職が目的なので歓迎される。

在職中の人が学ぶなら

在職中の人はこの制度の対象外だが、2025年10月から教育訓練休暇給付金(在職のまま無給の休暇で学ぶと基本手当と同額)ができた(教育訓練休暇給付金の記事)。働きながら夜間・休日で学ぶなら教育訓練給付(受講料の20〜80%が戻る。教育訓練給付金の記事)。

私は1社目を辞めた後、フリーターをしながら50万円払って渋谷のWebスクールに通い、Web業界に未経験で入った。当時この制度を知らず、貯金と実家で食いつないだ。訓練を受けながら月10万が出るなら、選ぶ講座も、諦める時期も変わっていた。使える制度を先に並べてから、独学か訓練かを決めればいい。

よくある誤解

「失業保険が出ない人は何も使えない」。求職者支援制度がある。フリーランスの廃業や、雇用保険に入っていなかった人も対象だ。

「訓練は誰でも無条件で受けられる」。実施機関の選考(面接・筆記)がある。志望動機と就職の意思を聞かれる。

学び直しの実態(公的データ)

令和7年度能力開発基本調査で、自己啓発をした人は35.5%(正社員43.3%・非正規15.9%)、30代42.8%・50代31.0%と年齢で下がり、企業規模30〜49人27.5%と1,000人以上52.3%で差がある。できない理由は仕事が忙しい58.5%・費用26.2%で、会社が出す教育費は1人年2.0万円。数字の全体は学び直しをしている人は35.5%のデータ記事で書いた。

住民税非課税世帯の条件

住民税非課税世帯は均等割も所得割もかからない世帯で、1級地の目安は単身で合計所得45万円以下(給与収入 約110万円)、扶養2人で141万円以下(給与収入 約216万円)。判定は前年の所得なので、退職した年でなく翌年度から該当する。該当すると国保料の7割軽減、高額療養費の上限 月35,400円、大学の授業料減免、給付金の対象になる。条件は住民税非課税世帯の条件はいくらかの記事で書いた。

よくある質問

訓練中にアルバイトをしてもいいですか?

できるが、本人の収入が月8万円を超えると給付が出ない。訓練の出席が優先で、シフトで欠席すると給付が止まる。

給付の要件を満たさない場合でも訓練は受けられますか?

受けられる。訓練は無料で、給付だけが要件で決まる。世帯収入が多い人や資産がある人も、訓練だけ受けるのは可能だ。

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