今の会社を辞めたい気持ちはある。でも、やりたいことが特にない。面接で「何がしたいの?」と聞かれても答えられる自信がない。だから転職活動が始められない。

この状態の20代に、最初に言っておく。やりたいことがないのは異常でも欠陥でもない。そして、転職の軸は「やりたいこと」からじゃなく「消去法」で作っていい。

私も20代の頃、やりたいことなんてなかった。ブラックな1社目から逃げて、フリーターをやって、消去法でWeb業界を選んだ。それでも転職を重ねて、今は自分で選んだ働き方をしている。やりたいこと迷子のまま動けずにいる人に、動き出すための考え方と手順を書く。

「やりたいことがない」で詰む必要はない

まず、この呪いを解くところからだ。

就活と転職の世界では、「やりたいことを見つけろ」「自分軸を持て」と言われ続ける。だが冷静に周りを見てほしい。やりたいことが明確で、それを仕事にしている人が、あなたの職場に何人いる。ほとんどいないはずだ。

大多数の人は、たまたま入った会社で、与えられた仕事をやりながら、少しずつ好き嫌いを覚えていく。やりたいことは、探して見つけるものではなく、やった後に事後的に分かるものなんよ。

だから「やりたいことが見つかるまで動けない」は、順番が逆だ。動いた人間だけが、やりたいことに出会う確率を上げられる。

消去法は立派な戦略だ

やりたいことが分からなくても、嫌なことは即答できるはずだ。

  • 毎日終電まで働くのは嫌だ
  • 電話営業は嫌だ
  • 転勤は嫌だ
  • 体育会系のノリは嫌だ
  • 給料が上がらないのは嫌だ

これを馬鹿にするな。嫌なことリストは、あなたが実体験から学んだ、信頼できるデータだ。やりたいことは幻かもしれないが、嫌なことは確実に本物だ。

消去法で選ぶことに罪悪感を持つ人がいるが、考えてみてほしい。「嫌なことを全部消した先に残った仕事」は、少なくとも消耗しない仕事だ。消耗しなければ続く。続けば上達する。上達すれば面白くなる。やりたいことは、大体このルートの先で生まれる。

あわせて読みたい3年目で仕事が向いてないと気づいたら。石の上にも三年の呪いを解く

嫌なことリストから転職の軸を作る手順

具体的な手順に落とす。紙とペンで15分あればできる。

ステップ1:嫌なことを20個書き出す

今の仕事・職場で嫌なことを、思いつく限り書く。仕事内容、人間関係、労働時間、給料、通勤、社風。カテゴリは気にせず、とにかく20個出す。20個出すのがポイントだ。10個くらいまでは表面的な不満で、その先に本音が出てくる。

ステップ2:「絶対に無理」を5個選ぶ

20個の中から、「これがある会社には絶対に行きたくない」を5個選ぶ。これがあなたの除外条件だ。

ステップ3:除外条件を裏返して望む条件に変換する

  • 「終電まで働くのは無理」→「月残業20時間以内」
  • 「電話営業は無理」→「新規の電話営業がない職種」
  • 「成果を数字で詰められるのは無理」→「過度なノルマ文化がない会社」

これで、求人を絞り込める具体的な条件が5個できた。これが転職の軸だ。「やりたいこと」という言葉を一度も使わずに、軸が完成したことに気づいてほしい。

ステップ4:残った求人の中から「マシな順」に並べる

除外条件で絞った後の求人を、直感でいいから興味が持てる順に並べる。ここで初めて、うっすらした好みが出てくる。その好みが、将来やりたいことに育つ種だ。

面接では消去法をポジティブに翻訳しろ

「軸は消去法です」と面接で言うわけにはいかない。だが翻訳は簡単だ。除外条件の裏返しは、そのまま志望動機の材料になる。

  • 残業まみれが嫌で選んだ→「腰を据えて長く働ける環境で経験を積みたい」
  • ノルマ文化が嫌で選んだ→「チームで成果を出す働き方がしたい」
  • 単純作業が嫌で選んだ→「幅広い業務に関われる環境で力をつけたい」

嘘は一つもない。事実の言い方を変えただけだ。

20代の強みは「空白の軸」が許されることだ

ここが重要だ。消去法の転職が一番うまくいくのは、実は20代なんよ。

30代40代の転職は、経験と実績の一貫性を問われる。だが20代、特に第二新卒の枠は、ポテンシャル採用だ。企業側も「やりたいことが固まっていない若手を育てる」前提で採用している。やりたいことが言えないことは、20代では致命傷にならない。

逆に言えば、消去法で環境を選び直せるのは20代の特権だ。30代になってから「やっぱり合わない」と動くより、今動く方が選択肢は圧倒的に多い。3年働いて向いていないと確信した人は3年目で仕事が向いてないと気づいたらも読んでほしい。

私も消去法で業界を選んだ

実体験を書いておく。私は美容業界のブラック企業を1年以内に辞めた後、フリーターをしながら次を考えていた。やりたいことなんて何もなかった。あったのは嫌なことリストだけだ。

長時間労働は無理。休みがないのは無理。体育会系の上下関係は無理。手に職がつかない仕事は無理。この消去法の先に残ったのがWeb業界だった。50万円払ってWebスクールに通い、未経験でECサイト運営の会社に潜り込んだ。

Webがやりたかったわけじゃない。嫌なことが一番少なそうだったから選んだ。それでも、やっているうちにデザインが面白くなり、UIデザイナーになり、ディレクターになった。やりたいことは全部、消去法で選んだ環境の中から後付けで生まれた。フリーランスになった今でも、あの消去法は正解だったと思っている。

一人で決められないなら、プロと診断を使え

嫌なことリストを作っても、それをどの業界・職種に変換すればいいか分からない。それが普通だ。20代は業界と職種の知識がないから、変換の精度が出ない。ここは外部の力を借りていい。

適職診断で選択肢の当たりをつける

無料・数分で適職を診断する(タレントスクエア)

診断は無料で、数分で終わる。結果はその場で見られて、そのまま閉じてもいい。登録後に案内が届くことはあるが、不要なら配信を止めて、診断結果だけ持ち帰れば済む。

数分の質問で、自分の特性に合う職種の傾向が出る。診断結果を鵜呑みにする必要はない。「自分はこの方向か?」という仮説が1つ手に入るだけで、求人の見方が変わる。

20代特化のエージェントに壁打ちする

無料でキャリア相談をしてみる(UZUZ・20代特化)

UZUZは20代・第二新卒特化で、やりたいことが固まっていない相談に慣れている。嫌なことリストを持って行って、「これを避けられる仕事は何ですか」と聞けばいい。消去法の壁打ち相手として使い倒せ。

エージェントとの付き合い方に不安があるなら転職エージェントの断り方も読んでおけ。合わなければ断っていい相手だと分かっていれば、気楽に使える。

動き出す順番。全体像だけ示す

やりたいことがない20代の転職活動は、この順番で進めろ。

  1. 嫌なことリストを作り、除外条件5個に絞る
  2. 適職診断で職種の仮説を持つ
  3. エージェントに壁打ちして、求人で答え合わせする
  4. 除外条件を満たす求人に、興味が持てる順で応募する

転職活動全体の進め方は転職を考え始めた人へ。何から始めるかの順番に書いた。順番を間違えなければ、軸が薄くても転職活動は回る。

まとめ

  • やりたいことがないのは欠陥ではない。大多数がそうだ
  • やりたいことは探すものではなく、やった後に分かるもの
  • 嫌なことリスト20個→除外条件5個→裏返して望む条件。これで軸は完成する
  • 消去法の軸は、面接ではポジティブに翻訳できる
  • 空白の軸が許されるのは20代の特権。動くなら今だ

やりたいことが見つかるまで待つ人生は、たぶん一生待つことになる。嫌なことから逃げる方向で構わない。動いた分だけ、好きの種は増えるだわ。

金を払ってでも本気で軸を作りたい人には、ポジウィルキャリアというキャリアコーチングもある。求人紹介をしないから、転職ありきではない相談ができるのが特徴だ。ただし有料サービスだから、まず無料の診断とエージェントを使い倒してから検討する順番でいい。怪しいと感じている人はキャリアコーチングは怪しいのかで仕組みから確かめてほしい。

もう1つ、20代なら相性転職PersonalFileという適性診断型の選択肢もある。診断で自分との相性から求人を絞る型だから、やりたいことがない人の消去法と噛み合いやすい。

転職活動の全体像を通しで確認したい人は、初めての転職 完全ガイドを読んでほしい。準備から入社後まで、この記事の位置づけが分かる。

よくある質問

やりたいことがないのに転職していいのですか?

いい。転職の軸は消去法で作れる。嫌なことを20個書き出し、絶対に無理な5個を除外条件にして、裏返せば具体的な条件になる。やりたいことは探して見つかるものではなく、消耗しない環境で働いた後に事後的に分かるものだ。

20代でやりたいことが見つからないのは問題ですか?

問題ではなく多数派だ。やりたいことが明確な人は職場にもほとんどいない。むしろ20代はポテンシャル採用の枠があり、軸が固まっていなくても許される特権的な時期だ。動きながら好き嫌いのデータを集めればいい。

消去法で選んだ会社で後悔しませんか?

嫌なことを全部消した仕事は、少なくとも消耗しない。消耗しなければ続き、続けば上達し、上達すれば面白くなる。私自身、消去法で選んだWeb業界でやりたいことが後から育った。憧れで選ぶより外れにくい方法だ。

▼ 動き出すなら、道具選びから

転職エージェントに騙されるな。30代が本当に使うべきは3つだけ

記事を読んで終わりにせず、自分に合うサービスの当たりを付けるところまで進んでほしい。ここまでが今日の一歩だ。

LINE登録で転職戦略シートを無料配布中

嫌なことリストから軸を作るワークにそのまま使える「転職戦略シート」をLINEで無料配布している。頭の中でぐるぐる考えるのを終わりにして、一枚に書き出すところから始めてほしい。

LINE無料登録で資料を受け取る