転職先が決まった。だが入社は2か月後だ。それまで収入がない。この間だけ失業保険をもらえないか。ハローワークに内定のことを言わなければいいのか。

先に言う。次の会社が決まっているなら、失業保険はもらえない。失業していないからだ。入社まで1か月以上あって求職する気があるなら、ハローワークで相談する余地はある。もらえない理由、相談の余地がある形、隠した時に起きること、空白期間の保険と年金、入社が延びた時、再就職手当を書く。

先に一文で。失業保険は働く意思と能力があって求職活動をしているのに決まらない人に出るので、次の会社が決まっている人は入社日まで間があっても原則対象外で、内定を隠して申請すると不正受給として返還と加算金を課され、入社日が固まっていない段階なら窓口に事情を伝えて判断を受け、空白期間は国民健康保険と国民年金への切り替えで守り、入社が取り消された時は改めて申請するのが正解だ。

この記事の要点

  • 決まっている人は原則もらえない
  • 隠すと不正受給。返還と加算金
  • 入社日が固まっていないなら窓口で相談
  • 空白期間は保険と年金の切り替えを

もらえない理由

失業保険(基本手当)が出る「失業」とは、働く意思と能力があり、求職活動をしているのに仕事が決まらない状態のことだ。次の会社が決まっている人は、仕事が決まらない状態にない。入社日まで数か月あっても、決まっている以上は対象外になる。

生活費が苦しい気持ちは分かるが、制度の目的が「次の仕事を探す間の生活を支える」ことなので、探す必要のない人には出ない。

相談の余地がある形

状況扱い
入社日が確定し、内定承諾も済んでいる対象外
内々定の段階で条件が固まっておらず、他社も並行して探している求職活動をしている状態として、窓口で判断を受ける余地がある
内定は出たが、入社日が半年以上先で、それまで別の仕事を探している同上。事情を正直に伝える
入社したが試用期間で辞めた改めて失業の状態になるので、離職票を持って申請する

自分で「これは失業だ」と決めない。受給資格の決定の時に、内定の有無と入社日を正直に伝えて、窓口の判断を受ける。認められない場合が多いことは前提にする。

隠した時に起きること

内定を言わずに申請し、受給した後に会社が雇用保険の加入手続きをすると、入社日はハローワークに分かる。受給した期間と重なれば不正受給になり、受け取った額の返還に加えて、最大で同じ額の2倍を納めることになる。悪質な場合は刑事の責任も問われる。

数か月分の手当のために、その後の雇用保険の記録に不正の履歴が残る。割に合わない。

空白期間の保険と年金

失業保険が出ない代わりに、空白期間の手続きはこう組む。

項目やること
健康保険国民健康保険に入る(退職日の翌日から14日以内)か、前の会社の健康保険を任意継続する(退職日の翌日から20日以内)。家族の扶養に入れるなら扶養
年金国民年金の第1号に切り替える(14日以内)。収入がなければ免除の申請ができる
住民税前の会社で一括徴収されなかった分は、自分で納付書で払う
生活費最後の給与と貯金で組む。空白が長いなら、短期のアルバイトも選択肢になる

切り替えの手順は退職後の年金の手続きに書いた。

入社日が延びた・内定が取り消された

入社日が会社の都合で延びた場合、その間は決まっている状態のままで、失業保険は出ない。延びる期間の補償は、会社と交渉する。

内定が取り消された場合は、改めて仕事が決まらない状態になるので、離職票を持ってハローワークで申請する。前の会社の離職理由で受給資格が判断される。取り消しそのものの扱いは中途採用の内定取り消しは違法かに書いた。

再就職手当との関係

再就職手当は、失業保険の受給資格が決まった後、待期の7日を過ぎてから就職した人に、残った給付日数に応じて出る手当だ。退職前から次が決まっていた人は、受給資格の決定そのものがないので、再就職手当の対象にもならない。

受給資格が決まった後で就職が決まった人は、給付日数を3分の1以上残していることなどの条件を満たせば申請できる。待期の考え方は失業保険の待期期間とはに、額の全体は失業保険はいくら・いつからもらえるかに書いた。

届け出の順番と採用証明書と再就職手当の流れは失業保険の受給中に仕事が決まったらに書いた。

よくある質問

内定は出ているが、行くか迷っている

迷っている段階なら、他社を探す求職活動をしている状態になり得る。窓口で事情を伝える。承諾してしまえば対象外だ。

前の会社の離職票は取っておくべきか

取っておく。入社が延びた、試用期間で辞めた、という時に申請で要る。会社に発行を頼めば出る。

入社まで3か月ある。短期のアルバイトをしてもいいか

失業保険をもらっていないなら、制限はない。転職先の就業規則で入社前の副業を制限している例はまれだが、雇用契約の開始前なので問題にならない。

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