派遣で働いている。このまま何年も派遣を続けるのは不安だ。紹介予定派遣なら正社員になれると聞いたが、本当なのか。断られたらどうなるのかも分からない。
まず言葉を分ける。直接雇用と正社員は別。契約社員でも直接雇用だ。仕組みと、確認する4つと、他の道を書く。
先に一文で。紹介予定派遣は最長6ヶ月の派遣の後に派遣先と直接雇用を結ぶ前提の派遣で、通常の派遣で禁止されている事前面接が認められる代わりに、直接雇用が正社員とは限らず、派遣先も自分も断れるので、応募前に雇用形態・年収・直近の実績・評価基準の4つを確認する。
この記事の要点
- 派遣期間は最長6ヶ月。その後に直接雇用
- 事前面接ができる唯一の派遣(通常の派遣では禁止)
- 直接雇用=正社員ではない。契約社員のことがある
- 断られることも、自分から断ることもある。違約金はない
- 聞く4つ|雇用形態/年収・待遇/直近の実績人数/評価の基準
通常の派遣との違い
| 通常の派遣 | 紹介予定派遣 | |
|---|---|---|
| 事前面接・履歴書の特定 | 禁止 | 認められる |
| 期間 | 同一の組織単位で原則3年 | 最長6ヶ月 |
| その後 | 契約更新か終了 | 直接雇用を前提(保証ではない) |
| 求人の数 | 多い | 少ない |
働いてみてから決められるのが最大の利点だ。書類と面接だけで決めるより、ミスマッチが起きにくい。
落とし穴1|直接雇用=正社員ではない
| 求人票の書き方 | 実際 |
|---|---|
| 「6ヶ月後に直接雇用」 | 契約社員のことがある |
| 「正社員登用の実績あり」 | 直接雇用の後に、さらに登用の段階がある |
| 「正社員として直接雇用」 | これが求めている形 |
契約社員での直接雇用だと、有期契約のまま雇用主が変わるだけになる。正社員と非正社員の賃金差は年代が上がるほど開く(正社員と非正社員の賃金差のデータ記事)。
落とし穴2|直接雇用に至らないことがある
- 派遣先が断ることがある(評価が基準に届かない、事業の状況が変わった)
- 自分から断ることもできる(実際に働いて合わないと分かった)
- どちらでも違約金のようなものはない
断れることは、むしろこの仕組みの利点でもある。入ってから「話が違った」となるより、6ヶ月で判断できる。
応募前に聞く4つ
| # | 聞くこと | 聞き方 |
|---|---|---|
| 1 | 直接雇用後の雇用形態 | 「直接雇用は正社員でしょうか、契約社員でしょうか」 |
| 2 | 年収と待遇 | 「直接雇用後の年収の目安と、賞与・退職金の有無を教えてください」 |
| 3 | 直近で何人が直接雇用に至ったか | 「直近1年で、紹介予定派遣から直接雇用になった方は何名ですか」 |
| 4 | 評価の基準 | 「6ヶ月の間に、どこを見て判断されますか」 |
特に3が効く。制度があるだけの会社かどうかが、この1問で分かる。労働条件は書面で確認する(労働条件通知書の見方の記事)。
派遣から正社員になる3つの道
| 道 | 利点 | 弱点 |
|---|---|---|
| 紹介予定派遣 | 事前面接あり。ミスマッチが少ない | 求人が少ない。直接雇用が正社員とは限らない |
| 派遣先での正社員登用 | 今の職場のまま | 派遣先に登用の義務はない。実績次第 |
| 中途採用に直接応募 | 条件を交渉できる。選択肢が最も多い | 書類と面接で決まる |
派遣で3年働くと、派遣先には直接雇用の依頼や新たな就業先の提供といった雇用安定措置を講じる義務が生じるが、これも正社員雇用を保証するものではない。実際に正社員になった人の動き方は派遣から正社員になれた人の記事で書いた。
派遣で働いている間に記録すること
- 使った業務システムの名前(求人の条件になっていることが多い)
- 月の処理件数(規模が伝わる)
- 任された範囲(どこまで1人でやったか)
- 改善したこと(自分で変えたこと)
派遣の経験は経歴として弱いと思われがちだが、具体的に書けば十分に評価される。これが直接応募でも登用面談でも材料になる(職務経歴書に書くことがない人への記事)。
動くなら早いほうがいい
正社員と非正社員の賃金差は、年代が上がるほど開いていく。20代のうちは差が小さくても、40代・50代で大きく開く。迷っている期間が、そのまま差になる。40代の未経験の入口は狭くなる(45歳未経験の転職はどこまで可能かの記事)。
私の場合
私は4回転職している。新卒で入った会社を1年以内に辞めて、フリーター期間があった。あの時、正社員に戻れるかどうかは本気で不安だった。結果として戻れたのは、バイトをしながら次の仕事で使えるものを作ったからだ。派遣も同じで、派遣として働いている時間そのものが不利になるのではなく、その時間に何を記録したかで次が決まる。
3分で診断:転職エージェント相性診断——伴走型・特化型・スカウト型・診断型。合う窓口の型が8問で分かる。無料・登録不要。
よくある誤解
「紹介予定派遣なら正社員になれる」。直接雇用が前提だが、正社員とは限らないし、至らないこともある。
「派遣の経験は職務経歴書に書けない」。書ける。システム名・件数・範囲を具体的に書けば評価される。
トライアル雇用という入口
トライアル雇用は無期雇用への移行を前提に原則3ヶ月の試行雇用を行う制度で、離職期間1年超・過去2年で2回以上の離職・育児で1年超・特別な配慮を要する、などのいずれかに当たる人が対象になる。ハローワーク等の紹介であることが条件で、求人サイトからの直接応募では使えない。企業には月4万円が最長3ヶ月出る。要件はトライアル雇用とは何かの記事で書いた。
よくある質問
直接雇用を断ったら、その派遣会社で次の仕事は紹介されなくなりますか?
断ること自体はできる。ただし理由の伝え方で印象は変わるので、条件が合わなかった点を具体的に伝える。
紹介予定派遣の求人はどこで探せますか?
大手の派遣会社が扱っている。求人検索で「紹介予定」の条件を付けて絞る。数が少ないので、複数社に登録するほうが早い。
転職の資料をLINEで無料配布中
紹介予定派遣・正社員登用・直接応募の3つを並べて、雇用形態と年収で比べる記入表を公式LINEで無料配布している。直接雇用と正社員を、先に分けよう。


