離職期間が1年を超えた。あるいは、短期間で辞めるのを繰り返している。書類で落ち続けて、もう入口がない気がしている。
入口が1つある。3ヶ月お試しで入る。無期雇用への移行が前提だ。トライアル雇用の対象と条件と、使う時に確認する4つを書く。
先に一文で。トライアル雇用は無期雇用への移行を前提に原則3ヶ月の試行雇用を行う制度で、離職期間1年超・過去2年で2回以上の離職・育児で1年超などの5つのいずれかに当たり、ハローワーク等の紹介で雇い入れられることが条件、企業には月4万円が最長3ヶ月支給される。
この記事の要点
- 原則3ヶ月の試行雇用。無期雇用への移行が前提(保証ではない)
- 対象は5つのいずれか|離職1年超/2年で2回以上の離職/育児で1年超など
- ハローワーク等の紹介であることが条件。直接応募では使えない
- 企業には月4万円(母子家庭の母等・父子家庭の父は5万円)が最長3ヶ月
- 確認する4つ|移行の基準/移行後の雇用形態と待遇/直近の移行実績/期間中の労働条件
前提の3つ
| # | 条件 |
|---|---|
| 1 | 週の所定労働時間30時間以上の無期雇用を希望し、トライアル雇用も希望している |
| 2 | ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等に求職申込をしている |
| 3 | 紹介日に、安定した職業に就いていない/自営・役員で週30時間以上働いていない/学校に在籍していない |
対象になる5つ(いずれか)
| # | 条件 |
|---|---|
| ア | 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上の離職や転職を繰り返している |
| イ | 紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている(パート・アルバイトを含め一切の就労をしていない) |
| ウ | 妊娠・出産・育児を理由に離職し、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている |
| エ | 1968(昭和43)年4月2日以降生まれで、安定した職業に就いておらず、ハローワーク等で担当者制の個別支援を受けている |
| オ | 就職の援助に特別な配慮を要する(生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、ホームレス、生活困窮者など) |
イとウは、ブランクがある人の入口になる。ブランクからの再就職の進め方はブランクからの再就職は何から始めるかの記事で書いた。
企業側に出る助成金
| 対象者 | 月額 |
|---|---|
| 通常 | 月額4万円 |
| 母子家庭の母等・父子家庭の父 | 月額5万円 |
雇入れの日から1か月単位で最長3か月分、まとめて1回で支給される。ただし、就労予定日数に対する実際の就労日数の割合で減額される。
| 就労した割合 | 月額 |
|---|---|
| 75%以上 | 40,000円 |
| 50%以上75%未満 | 30,000円 |
| 25%以上50%未満 | 20,000円 |
| 0%超25%未満 | 10,000円 |
企業側は、休みが多いと助成が減る。この仕組みを知っておくと、相手の見方が読める。
使う時に確認する4つ
| # | 確認すること |
|---|---|
| 1 | 3ヶ月後の無期雇用への移行の判断基準は何か |
| 2 | 移行した場合の雇用形態(正社員か契約社員か)と、賃金・待遇の変化 |
| 3 | 直近でトライアル雇用から常用雇用に移行した人は何人か |
| 4 | トライアル期間中の労働条件(賃金、勤務時間、社会保険) |
3を聞くと、制度を人件費の圧縮に使っている会社かどうかが分かる。労働条件は書面で確認する(労働条件通知書の見方の記事)。
試用期間との違い
| トライアル雇用 | 試用期間 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 助成金の制度。ハローワーク等の紹介が条件 | 会社が就業規則で定めるもの |
| 期間 | 原則3ヶ月 | 会社による(3〜6ヶ月が一般的) |
| 前提 | 無期雇用への移行 | 最初から本採用(解約権が留保された雇用) |
| 助成金 | 事業主に月4万円 | なし |
トライアル雇用期間中も労働者なので、雇用保険・社会保険の加入要件を満たせば加入するし、労働基準法の保護も当然に及ぶ(試用期間中の給与と社会保険の記事)。
他の入口と並べる
| 制度 | 向く場面 |
|---|---|
| トライアル雇用 | 職歴にブランクや短期離職がある。3ヶ月で見てもらいたい |
| 求職者支援制度 | 雇用保険に入っていなかった。訓練を受けたい(求職者支援制度の記事) |
| 職業訓練(ハロートレーニング) | スキルを付けてから応募したい |
| 紹介予定派遣 | 6ヶ月働いてから直接雇用(紹介予定派遣で正社員になれるのかの記事) |
トライアル雇用と紹介予定派遣は、どちらも「働いてから決める」制度だが、入口が違う。トライアル雇用はハローワーク等の紹介、紹介予定派遣は派遣会社経由になる。
ハローワークでの動き方
- 求職申込をする(していないと対象にならない)
- 窓口でトライアル雇用を希望していると伝える
- 対象要件に当たるかを確認してもらう
- 紹介を受けて応募する(求人サイトからの直接応募では使えない)
ハローワークとエージェントの使い分けはハローワークと転職エージェントの違いの記事で書いた。
私の場合
私は1社目を1年以内に辞めて、フリーター期間があった。カフェやポスティングのバイトをしながら、Webスクールに通っていた。あの時、この制度を知っていたかというと知らなかったし、当時の私は就労していたので条件にも当たらなかった。ただ、入口が1つしかないと思い込んでいたのは事実だ。ハローワーク、エージェント、求人サイト、訓練、トライアル雇用。入口の数を知っているかどうかで、詰まり方が変わる。
入口を2つ持っておく
トライアル雇用はハローワークの紹介が条件なので、そこは窓口で進める。そのうえで、未経験可の求人を扱う民間の窓口も並べて見ておくと、同じ条件でどれだけの求人が出てくるかが分かる。ハローワークの求人と、民間の求人は重なっていないことが多い。
ハタラクティブは、フリーター・既卒・第二新卒を含む未経験可の求人を中心に扱っていて、書類と面接のサポートも付く。離職期間が長い人を前提にした求人が並んでいるので、一般の求人サイトで該当ゼロになる状態とは違う画面が見られる。
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よくある誤解
「トライアル雇用は使い捨てられる」。無期雇用への移行が前提の制度で、企業側も助成の要件がある。ただし移行の実績は会社ごとに違うので、直近の人数を聞く。
「求人サイトからでも使える」。ハローワーク等の紹介が条件。直接応募では対象にならない。
よくある質問
トライアル雇用の期間中に辞めてもいいですか?
辞められる。ただし本人都合の離職の場合、企業に出る助成金はその月の就労日数で計算される。
3ヶ月後に移行しなかったらどうなりますか?
そこで契約は終わる。次を探すことになる。移行しなかった理由を聞いて、次の応募に活かす。
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