講義に行けなくなって数週間が過ぎた。学費だけが減っていく。辞めたいが、辞めた後の自分がどうなるのか分からなくて、決められないまま時間だけが進む。
私のDMには大学生からの相談が繰り返し届く。まとめるとこうだ。
「大学を辞めたいと思っています。授業にも行けていないし、続ける意味が分からなくなりました。でも中退したら就職できないと聞くし、親にも言えません。辞めた後どうなるのか分からないまま、ずるずる過ごしています」
届く相談の典型例として答える。感情論は抜きにして、事実から並べる。中退は不利だが、致命傷ではない。ただし辞め方と、その後の順番で結果が大きく変わる。
- 中退で本当に失うのは、学歴そのものより新卒一括採用の枠だ
- 辞める前に確認すべき事実が3つある
- 中退理由は、説明の型さえ持てば選考で処理できる
- 中退後の主戦場は既卒・第二新卒の枠になる
中退で実際に失うものを、正確に把握する
まず、漠然とした不安を事実に置き換える。中退で失うのは「就職の可能性」ではなく、「新卒一括採用という特殊な仕組みへの参加権」だ。
日本の新卒採用は、大学の卒業予定者を対象に一斉に行われる。中退すると、この枠の多くが使えなくなる。これは事実で、ごまかしても仕方がない。大手企業の総合職など、新卒でしか入りにくい入口が閉じるのも本当だ。
ただし、就職市場そのものが閉じるわけではない。既卒者を対象とした採用、未経験歓迎の中途採用、人手不足の業界の通年採用。入口は複数残っている。大卒でなければできない仕事も一部あるが、世の中の仕事の大半はそうではない。
だから正確な言い方はこうなる。中退すると、就職の難易度は上がる。だが不可能にはならない。この差を理解した上で判断してほしい。
辞める前に、事実として確認すべき3つ
感情が限界に来ている時ほど、この確認を飛ばしてしまう。辞める判断そのものは尊重するが、確認だけは先にやってほしい。
1. 休学という選択肢があるか。多くの大学に休学制度がある。辞めると復帰できないが、休学なら戻れる。費用や期間の条件は大学によるから、学生課に聞いてほしい。「辞めるか続けるか」の二択だと思っている人が、実は三択目を持っていることがある。
2. あと何単位で卒業できるか。これは冷静に数える価値がある。残りわずかなら、耐える判断が合理的な場合もある。逆に何年分も残っているなら、続ける方の負担も正確に見える。感覚ではなく数字で判断してほしい。
3. 辞めた後の生活の当てがあるか。実家に戻れるのか、生活費をどうするのか。ここが空白のまま辞めると、焦って条件の悪い仕事に飛びつくことになる。
なお、大学に行けなくなっている原因が体調や気持ちの落ち込みにあるなら、話は進路より先に医療と相談になる。大学の学生相談室、心療内科、自治体の窓口。眠れない・食べられない・涙が出るといった状態が続いているなら、そこを先に整えてほしい。このセクションに紹介する商品はない。判断力が落ちた状態で人生の分岐を決めない方がいい。
中退理由の説明には、型がある
面接で必ず聞かれるところだから、型を渡しておく。中退そのものより、説明できないことの方が減点になる。
やってはいけない型はこれだ。
- 他責で終わる。「教授が合わなかった」「授業がつまらなかった」で止まると、次も同じ理由で辞めると思われる
- 嘘をつく。在籍期間は書類で分かる。取り繕うと、後で全部崩れる
- 長く語る。説明が長いほど、引きずっている印象になる
通る型はこうだ。事実を短く → 何を考えたか → だからいまどうしたいか。
「学業を続けられる状態でなくなり、中退という判断をしました。その後◯◯をしながら、自分は◯◯の仕事に取り組みたいと考えるようになりました。長く働ける環境で、一から覚えていきたいと思っています」
中退の事実は変えられないが、その後に何をしていたかは今日から作れる。アルバイト、資格の勉強、スキルの習得。説明の後半を強くする方が、前半をごまかすよりずっと効く。
中退後の主戦場は、既卒・第二新卒の枠だ
ここが実務の中心になる。中退した人が一般の求人サイトだけを見て落ち続けるのは、応募先の選択を間違えているからだ。
既卒・中退・未経験を前提とした採用枠は、別の入口にまとまっている。そこに応募すれば、学歴の話は前提として織り込まれた上で選考が進む。
UZUZは20代・第二新卒に特化していて、入社後に定着するかを重く見る方針を取っている。既卒や中退の背景を前提に話ができる相手がいるだけで、選考の進み方が変わる。登録も相談も無料だ。
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もう1つ、性質の違う入口も持っておくといい。就職エージェントneoは新卒・第二新卒の領域に強く、経歴より人物を見る枠の紹介がある。同じ条件でも、2社で紹介される会社の顔ぶれはかなり違う。2社のリストを並べた時点で選択肢は倍になる。合わなければ断ればいいだけで、断り方は断り文面45選に置いてある。
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順番。まず1社目に入る。調整は次でやる
最後に戦略を書く。中退後の1社目で理想を狙わない方がいい。
まず正社員として入って、2〜3年働く。そこで手に入るのは給料だけでなく、「正社員として続けられた」という職歴だ。この事実が揃った時点で、あなたの経歴は「中退した人」ではなく「◯◯の実務経験がある人」に変わる。中退という属性は、職歴が付いた瞬間に主役ではなくなる。
私自身、大学中退ではないが、1社目のブラック企業を1年以内に辞めてフリーターになり、そこから未経験でWeb業界に入った。経歴が綺麗ではない状態から動いた側の人間だ。あの時に効いたのは、経歴の説明を作ったことと、入れる場所から入ったことだった。入った後は、経歴より仕事の中身で評価が決まっていった。
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よくある質問
大学中退だと就職できませんか?
できる。ただし新卒枠の一部は使えなくなるため、既卒・第二新卒の枠や未経験歓迎の求人が主戦場になる。応募先を選び直せば、選考は普通に成立する。
中退の理由は面接で何と答えればいいですか?
嘘はつかず、事実を短く述べて、そこから何を考えて次にどうしたいかへ繋げる。中退そのものより、説明できないことと他責で終わることが減点になる。
辞める前に確認すべきことは何ですか?
休学という選択肢があるか、あと何単位で卒業できるか、学費と生活の当てがあるか。この3つを事実として確認してから決めるべきだ。
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