仕事のことを考えると気が重い。でも周りも同じように見えるし、自分が弱いだけなのか、この会社が普通でないのかが分からない。

厚生労働省が毎年、働く人に「強い不安・悩み・ストレスがあるか」を聞いている。最新の令和6年調査を年代別・雇用形態別に並べた。正社員の4人に3人が強いストレスを抱えている。あなたが弱いのではない。

先に一文で。仕事で強いストレスを感じている人は68.3%で正社員は74.6%・30代と40代は73%、内容は仕事の量43.2%・失敗と責任36.2%・仕事の質26.4%・対人関係26.1%・会社の将来性22.2%、相談できる人がいる人は94.6%だが実際に相談した人は74.7%だった。

この記事の要点

  • 強いストレスあり68.3%。正社員74.6%、30代73.3%、40代73.0%
  • 内容|仕事の量43.2・失敗と責任36.2・仕事の質26.4・人間関係26.1
  • 20代は人間関係と将来性、40代は仕事の量、派遣は雇用の安定性
  • 相談できる人がいる94.6%。相談した人74.7%

出典と数字の意味

出典は厚生労働省「令和6年労働安全衛生調査(実態調査)」の個人調査(2025年公表)。10人以上の常用労働者を雇う事業所で働く人を対象に、2024年10月末時点の状況を聞いたものだ。

「強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある」かどうかを本人が答えている。令和6年から設問の形式が変わったため、令和5年の82.7%とは直接比べられない

年代別・雇用形態別

区分強いストレスがある
全体68.3%
20歳未満28.7%
20〜29歳64.9%
30〜39歳73.3%
40〜49歳73.0%
50〜59歳69.4%
60歳以上53.2%
男性69.8%
女性66.6%
正社員74.6%
契約社員73.0%
派遣労働者54.1%
パートタイム労働者43.5%

読み取れることは3つある。

1、30代と40代がピーク。73%で、20代より8ポイント高い。責任が増え、人を動かす側に回る時期と重なる。

2、正社員が最も高い。74.6%。パートタイム43.5%との差は31ポイント。雇用の安定と引き換えに、負荷を引き受けている形だ。

3、60歳以上で下がる。53.2%。役職を降り、責任が減った分が数字に出ている。

ストレスの内容

強いストレスがある人に、内容を3つまで聞いた結果(その人たちを100とした割合)。

内容全体20代30代40代50代
仕事の量43.2%40.7%42.2%50.6%36.9%
仕事の失敗、責任の発生等36.2%38.7%42.7%35.0%32.7%
仕事の質26.4%21.0%20.7%28.0%31.6%
対人関係(セクハラ・パワハラを含む)26.1%30.8%26.1%22.5%24.2%
会社の将来性22.2%27.2%32.2%22.5%15.1%
顧客、取引先等からのクレーム20.7%26.6%27.6%21.4%13.9%
役割・地位の変化等(昇進・昇格・配置転換)19.8%15.2%19.8%27.7%18.1%
雇用の安定性11.2%10.7%9.7%6.5%14.7%
事故や災害の体験3.5%0.8%2.0%3.0%5.4%

読み取れることは3つある。

1、40代は仕事の量。50.6%で、2人に1人。役割の変化27.7%も全年代で最も高く、管理職になった負荷が量として乗っている。

2、20代は人間関係と将来性。対人関係30.8%が最も高く、会社の将来性27.2%、クレーム26.6%も上位。自分で仕事を制御できない段階の形だ。

3、30代は会社の将来性。32.2%で全年代の最高。転職理由でも35〜39歳の「会社の将来が不安」が最も高い(転職理由のランキングの記事)。この年代は、今の会社に残るかを最も考える時期になる。

雇用形態で見ると、派遣労働者は雇用の安定性54.7%、契約社員は会社の将来性38.8%と雇用の安定性32.1%。正社員は仕事の量45.0%と失敗・責任37.7%が中心で、悩みの種類が雇用形態で分かれている。

メンタル不調で1ヶ月以上休んだ人・辞めた人がいる会社の割合

同じ調査の事業所側の数字では、過去1年間にメンタルヘルス不調で連続1ヶ月以上休業した労働者か退職した労働者がいた事業所は12.8%(休業10.2%・退職6.2%)。労働者に対する割合では、休業0.5%・退職0.2%だった。

業界休業か退職した人がいた事業所休業した労働者の割合
情報通信業39.2%1.3%
電気・ガス・熱供給・水道業32.7%1.1%
学術研究、専門・技術サービス業22.2%1.0%
教育、学習支援業20.5%0.6%
金融業、保険業20.1%0.9%
製造業18.6%0.7%
医療、福祉12.7%0.5%
卸売業、小売業10.5%0.4%
建設業8.0%0.4%
宿泊業、飲食サービス業3.4%0.2%
全体12.8%0.5%

事業所の規模が大きいほど割合は高く、1,000人以上では91.6%の事業所に該当者がいた。人数が多いので当然だが、情報通信業は労働者の1.3%が1年に1ヶ月以上休んでいる。給料も残業も上位の業界で、メンタル不調の休業が最も多い。給料が高い業界が楽な業界ではない(業界別の平均給料の記事)。

相談できるか、相談したか

項目割合
相談できる人がいる94.6%
うち家族・友人68.6%
うち上司65.7%
うち同僚62.8%
実際に相談したことがある74.7%

相談できる人がいる人は9割超だが、実際に相談した人は4人に3人。4人に1人は、相談できる相手がいても相談していない。男性は上司70.6%、女性は家族・友人71.1%が最多で、男性のほうが上司に相談する。

自分のストレスが普通の範囲か、辞める水準か

統計上、強いストレスがあること自体は正社員の4人に3人に当てはまる。あることは普通で、内容と続く期間で分ける

  • 仕事の量・質・失敗の責任|最も多い内容。部署や役割が変わると変わることが多い。まず上司に量の調整を相談する
  • 対人関係(パワハラ・セクハラを含む)|相手が変わらない限り変わらない。相談で変わらなければ、部署か会社を変える側の問題になる
  • 会社の将来性・雇用の安定性|自分の努力で変わらない。転職の判断材料として扱う
  • 期間|眠れない・食べられない・休日に回復しない状態が2週間以上続くなら、統計の話でなく受診の話になる

ストレスの正体を分ける手順は仕事のストレスは何かの記事で書いた。辞める判断に業界と規模の離職率を使う方法は大卒の3年以内離職率の記事にある。

私の1社目は、残業代が出ず、休日に呼ばれ、上司に詰められる会社だった。この分類なら仕事の量と対人関係の両方で、相談できる相手は社内にいなかった。内容が自分で変えられない側に寄っていて、相談先がない。それが辞める判断の形だったと、今なら分かる。

よくある誤解

「ストレスを感じるのは自分が弱いから」。正社員の74.6%、30〜40代の73%が強いストレスを抱えている。多数派だ。

「相談できる人がいれば大丈夫」。94.6%に相談相手はいるが、相談した人は74.7%。いることと使うことは別で、使っていない4人に1人が抱え込んでいる。

よくある質問

業界によってストレスの割合は違いますか?

個人調査は年代・性別・雇用形態での集計が中心で、業界別の数字は事業所調査側のメンタル不調による休業・退職の割合(上の表)で見る。情報通信・電気ガス・学術研究が高く、宿泊飲食・建設が低い。残業時間や離職率と合わせて読むと業界の負荷の形が分かる(残業時間の平均の記事)。

ストレスチェックは受けたほうがいいですか?

50人以上の事業所には年1回の実施義務がある。結果は本人の同意なく会社に渡らないので、高ストレスと出たら医師面接を申し出て、業務の調整につなげる材料にできる。

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