noteを開設した。さて何を書こう。カーソルが点滅する白い画面を前に、30分が過ぎた。

この止まり方には、はっきりした原因がある。書くことがないのではない。何を書いていいかの基準がないだけだ。基準さえ入れば、ネタはあなたの過去から掘り放題になる。掘り方を書く。

この記事の要点

  • ネタ切れの正体は在庫不足ではなく、基準の不在だ
  • 基準は2つ。金か時間を使って解決したこと×人に聞かれたことがあること
  • 鉱脈は4つ。失敗の記録・調べた過程・比較した結果・変化の前後だ
  • ネタは座って考えず、日常で拾ってネタ帳に貯める

ネタ切れの正体。基準がないから全部ボツにしている

書くことが思いつかない人の頭の中では、実はこういうことが起きている。

ネタの候補は浮かんでいる。だが浮かぶそばから、「こんなの誰でも知ってる」「自分が書くほどのことじゃない」とボツにしている。ネタがないのではなく、採用基準が曖昧なせいで、全候補を落としている状態だ。

だから必要なのは、発想法ではなく採用基準になる。使う基準は2つでいい。

  1. 自分が金か時間を使って解決したことか。あなたが遠回りして手に入れた答えは、いま同じ問題の入口にいる人への近道になる
  2. 人に聞かれたことがあるか。同僚に、友人に、家族に聞かれたことは、需要が実証済みのネタだ

この2つの重なりにあるものは、あなたには当たり前でも、書けば読まれる。当たり前になったことこそが、あなたの商品在庫だ。

鉱脈は4つ。過去をこの順で掘る

基準が入ったら、過去をこの4方向で掘っていく。

鉱脈1、失敗の記録。転職で失敗したこと、副業で無駄にした金、選び方を間違えた買い物。失敗談は、同じ失敗の手前にいる読者への実用情報で、しかも書ける人が少ない。成功者は多いが、失敗を具体的に書ける人は希少だ。

鉱脈2、調べた過程。何かを決めるために比較検討した記録。保険の見直しで調べたこと、スクールを選ぶとき比べた基準。あなたが3週間かけた調査は、読者の3週間を節約する。

鉱脈3、比較した結果。AとBを両方使った・両方行った・両方やった経験。実体験の比較は、公式サイトには絶対に書けない一次情報になる。

鉱脈4、変化の前後。残業60時間から転職した前後、貯金ゼロから家計を直した前後。ビフォーアフターの間にある具体的な手順が、そのまま記事の骨になる。

この4つで20個も書き出せば気づくはずだ。ネタは探すものではなく、掘るものだ。

決める問いは2つ。誰の、どの検索に答えるか

掘ったネタから、実際に書くものを決める段階では、この2つの問いを使う。

  1. 誰の困りごとに答える記事か。1年前の自分、と設定するのが一番書きやすい。顔が浮かぶ相手に書く文章は、自然と具体的になる
  2. その人は検索窓に何と打つか。その言葉をタイトルに入れる。アクセスが増えない理由で書いた通り、タイトルは作品名ではなく検索への回答だ

この2問に答えられないネタは、まだ書く段階にない。ネタ帳に戻して寝かせておけばいい。

そして、書き始めたら完璧を目指さないこと。6割の出来で公開して、反応を見て直す。noteの始め方で書いた通り、noteは書き直せる場所だ。公開のハードルを上げるほど、2本目が遠くなる。

ネタ帳の作り方。書く時間と拾う時間を分ける

続けるための実務も書いておく。ネタ切れする人としない人の差は、才能ではなくメモの習慣だ。

  • 日常で拾う。気づいたこと、聞かれたこと、調べたこと、腹が立ったことを、その場でスマホのメモに1行で放り込む。1日2〜3個で月60〜90個になる
  • 書くときは選ぶだけ。机に座ってからネタを考えない。ネタ帳から今日の1本を選んで、すぐ書き始める
  • 反応が付いたテーマを枝分かれさせる。読まれた記事の中の1論点を、次の1本に育てる。読者が読む記事のネタ元は、読者の反応の中にある

売れる記事にしたい場合の宛先の絞り方はnoteが売れない理由、X側でのネタの拾い方はXのフォロワーの増やし方で書いた分解の習慣がそのまま使える。

あわせて検索される疑問に、先に答えておく

日記やエッセイではダメなのか

ダメではない。noteは日記もエッセイも歓迎する場所だ。ただ、読まれる・売れるを目的にするなら、日記は難易度が最も高いジャンルだと知っておいてほしい。無名の人の日常が読まれるのは、文章力が突出している場合だけだ。実用の記事で読者を作ってから、エッセイを混ぜていく順番の方が、両方とも読まれるようになる。

同じテーマの記事がもう大量にある。今さら書く意味はあるか

ある。読者が探しているのは、情報そのものではなく、自分と同じ状況の人の記録だからだ。転職の記事が1万本あっても、「30歳・経理・地方在住・子持ちで転職した記録」はあなたにしか書けない。テーマの被りは問題にならない。状況の具体性が、そのまま差別化になる。

専門知識がないと書けないのではないか

要らない。noteで読まれているものの多くは、専門家の講義ではなく、当事者の記録だ。資格を持つ栄養士の一般論より、実際に3ヶ月で家計の食費を2万円下げた会社員の記録の方が、同じ悩みの読者には具体的で役に立つ。あなたに要るのは肩書きではなく、やったことの記録と、それを1年前の自分に向けて書く視点だけになる。

書きたいことと読まれることが違う。どちらを書くべきか

両方書けばいい、が答えになる。読まれる実用記事で入口を作り、書きたいことはその読者に向けて書く。順番の問題であって、二択ではない。書きたいことだけを書いて読まれずにやめるのが一番もったいない道で、読まれることだけ書いて疲れてやめるのが二番目にもったいない道だわ。

よくある質問

noteに書くことがありません。何を書けばいいですか?

基準を入れる。金か時間を使って解決したこと×人に聞かれたことの重なりから書く。特別な経験は要らない。

自分の経験なんて誰の役にも立たない気がします。

役に立つかは読者が決める。あなたの1年前の詰まりは、いま同じ場所にいる人の現在地だ。半歩先の記録の方が刺さる。

ネタ切れせずに書き続けるコツはありますか?

書く時間と拾う時間を分ける。日常で1行メモに貯めて、書くときはネタ帳から選ぶだけにする。

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