給与明細の健康保険料が、転勤した同僚と少し違う。同じ月給なのに、なぜか。協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに違い、しかも2026年度に多くの県で変わった。

一覧にした。同じ月給でも、健康保険料は県で月2,010円違う。令和8年度の47都道府県の率と、月給30万での本人負担を並べる。

先に一文で。協会けんぽの令和8年度の保険料率は最高佐賀県10.55%・最低新潟県9.21%・東京9.85%で、40県が引き下げ・7県が据え置き・引き上げはゼロ、これに全国一律の子ども・子育て支援金0.23%(40歳以上は介護1.62%も)が乗り、率は住所でなく勤務先の都道府県で決まる。

この記事の要点

  • 最高|佐賀県 10.55%、最低|新潟県 9.21%。差は1.34ポイント
  • 東京は9.91% → 9.85%。40県が引き下げ、引き上げはゼロ
  • 明細の率は健康保険料率+支援金0.23%(40歳以上は+介護1.62%
  • 月給30万・40歳未満の本人負担|東京 約15,120円、佐賀県 約16,170円、新潟県 約14,160円
  • 率は住所でなく勤務先の都道府県で決まる

47都道府県の保険料率(令和8年度・協会けんぽ)

令和8年3月分(4月納付分)から適用。本人負担は標準報酬月額30万円で、健康保険料率+子ども・子育て支援金0.23%(40歳以上は+介護保険料率1.62%)の半分を私が計算した目安。

都道府県令和7年度令和8年度増減本人負担(40歳未満)本人負担(40歳以上)
北海道10.31%10.28%-0.03約15,765円約18,195円
青森県9.85%9.85%据え置き約15,120円約17,550円
岩手県9.62%9.51%-0.11約14,610円約17,040円
宮城県10.11%10.10%-0.01約15,495円約17,925円
秋田県10.01%10.01%据え置き約15,360円約17,790円
山形県9.75%9.75%据え置き約14,970円約17,400円
福島県9.62%9.50%-0.12約14,595円約17,025円
茨城県9.67%9.52%-0.15約14,625円約17,055円
栃木県9.82%9.82%据え置き約15,075円約17,505円
群馬県9.77%9.68%-0.09約14,865円約17,295円
埼玉県9.76%9.67%-0.09約14,850円約17,280円
千葉県9.79%9.73%-0.06約14,940円約17,370円
東京都9.91%9.85%-0.06約15,120円約17,550円
神奈川県9.92%9.92%据え置き約15,225円約17,655円
新潟県9.55%9.21%-0.34約14,160円約16,590円
富山県9.65%9.59%-0.06約14,730円約17,160円
石川県9.88%9.70%-0.18約14,895円約17,325円
福井県9.94%9.71%-0.23約14,910円約17,340円
山梨県9.89%9.55%-0.34約14,670円約17,100円
長野県9.69%9.63%-0.06約14,790円約17,220円
岐阜県9.93%9.80%-0.13約15,045円約17,475円
静岡県9.80%9.61%-0.19約14,760円約17,190円
愛知県10.03%9.93%-0.10約15,240円約17,670円
三重県9.99%9.77%-0.22約15,000円約17,430円
滋賀県9.97%9.88%-0.09約15,165円約17,595円
京都府10.03%9.89%-0.14約15,180円約17,610円
大阪府10.24%10.13%-0.11約15,540円約17,970円
兵庫県10.16%10.12%-0.04約15,525円約17,955円
奈良県10.02%9.91%-0.11約15,210円約17,640円
和歌山県10.19%10.06%-0.13約15,435円約17,865円
鳥取県9.93%9.86%-0.07約15,135円約17,565円
島根県9.94%9.94%据え置き約15,255円約17,685円
岡山県10.17%10.05%-0.12約15,420円約17,850円
広島県9.97%9.78%-0.19約15,015円約17,445円
山口県10.36%10.15%-0.21約15,570円約18,000円
徳島県10.47%10.24%-0.23約15,705円約18,135円
香川県10.21%10.02%-0.19約15,375円約17,805円
愛媛県10.18%9.98%-0.20約15,315円約17,745円
高知県10.13%10.05%-0.08約15,420円約17,850円
福岡県10.31%10.11%-0.20約15,510円約17,940円
佐賀県10.78%10.55%-0.23約16,170円約18,600円
長崎県10.41%10.06%-0.35約15,435円約17,865円
熊本県10.12%10.08%-0.04約15,465円約17,895円
大分県10.25%10.08%-0.17約15,465円約17,895円
宮崎県10.09%9.77%-0.32約15,000円約17,430円
鹿児島県10.31%10.13%-0.18約15,540円約17,970円
沖縄県9.44%9.44%据え置き約14,505円約16,935円

出典|全国健康保険協会「令和8年度都道府県単位保険料率」。増減は令和7年度との差(ポイント)。

ここまでのまとめ

最高|**佐賀県 10.55%**、最低|**新潟県 9.21%**。差は1.34ポイント

東京は9.91% → **9.85%**。40県が引き下げ、引き上げはゼロ

明細の率は**健康保険料率+支援金0.23%**(40歳以上は**+介護1.62%**)

読み取れること

1、引き上げた県はゼロ。40県が引き下げ、7県が据え置き。医療費の伸びより加入者の賃金の伸びが上回った年で、率としては下がった県が多い。ただし4月分から支援金0.23%が乗るので、明細の合計はほぼ横ばいの人が多い(給与明細の子ども・子育て支援金とは何かの記事)。

2、九州・北海道・四国が高く、新潟・沖縄・東北が低い。高い順に佐賀県10.55%、北海道10.28%、徳島県10.24%、山口県10.15%、鹿児島県10.13%。低い順に新潟県9.21%、沖縄県9.44%、福島県9.50%、岩手県9.51%、茨城県9.52%。加入者1人当たりの医療費が高い地域ほど率が高くなる仕組みなので、この並びは毎年大きくは変わらない。

3、差は月給30万で月2,010円。年に2万円前後。手取りを決めるのは年収と職種のほうが圧倒的に大きい(都道府県別の平均給与・年収のデータ記事)が、同じ求人でも勤務地で手取りが違うことは知っておく。

明細の率は3つの合計

項目率(令和8年度)決まり方
健康保険料率上の表(都道府県ごと)勤務先の所在地
子ども・子育て支援金0.23%(全国一律)令和8年4月分から
介護保険料率(40〜64歳)1.62%(全国一律)40歳の誕生日の前日が属する月から

東京・40歳以上なら 9.85%+0.23%+1.62%=11.70%で、本人負担はその半分の5.85%。介護保険料の中身は介護保険料はいくら引かれるかの記事、明細全体の読み方は給与明細の見方と控除の記事で書いた。

住所でなく勤務先で決まる

状況適用される率
東京の会社に勤め、沖縄でリモート勤務東京の率
大阪に住み、神奈川の会社に通勤神奈川の率
転勤で所属事業所が別の県へ異動先の率に変わる
転職で勤務先の県が変わる新しい勤務先の率
健康保険組合(大企業の独自健保)組合ごとの率(この表とは別)
任意継続(退職後に前の健保に残る)4月分(4月納付分)から新しい率
国民健康保険(フリーランス・自営業)市区町村ごとの料率(別体系。国民健康保険が高い時の対策の記事

私は沖縄に住んでいるが、会社員として大阪の会社にフルリモートで勤めていた時期は大阪の率だった。住んでいる場所は関係ない。今はフリーランスで国保なので、この表の外にいる。

手取り全体で見る

健康保険料は社会保険料の一部で、厚生年金18.3%(本人9.15%)と雇用保険0.5%が別に乗る。年収別の手取りは年収別の手取り早見表の記事、標準報酬月額の決まり方は標準報酬月額とはの記事で書いた。

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よくある誤解

「健康保険料率は全国同じ」。協会けんぽは都道府県ごとで、新潟県9.21%から佐賀県10.55%まで幅がある。

「住んでいる県の率になる」。勤務先(事業所)の所在地で決まる。リモートで地方に住んでいても、会社が東京なら東京の率だ。

よくある質問

率はいつ変わりますか?

毎年度、3月分(4月納付分)から。任意継続の人は4月分から。年度の途中で変わることは原則ない。

賞与からも同じ率で引かれますか?

引かれる。標準賞与額(年度累計573万円が上限)に同じ率がかかり、支援金も介護も同様に乗る。

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