地方の求人を見ると、東京より年収が100万円低い。これが地方の相場なのか、この会社が安いだけなのかが分からない。逆に、東京に出れば上がると聞くが、家賃で消えるのかどうかも分からない。

全国平均を超える県は4つしかない。全国平均を超えるのは東京・神奈川・愛知・大阪の4都府県だけだ。47都道府県の表と、差の理由と、リモートで地方に住む形を書く。

先に一文で。令和7年賃金構造基本統計調査の所定内給与は東京418.3千円・神奈川368.6千円・大阪348.9千円・愛知341.6千円が全国平均340.6千円を超える4都府県で、年収の目安は東京678万から青森401万まで1.7倍の差があり、差は産業と企業規模と賞与で生まれ、同じ職種・規模なら縮まり、リモートで都市の給与を地方で受け取る形もある。

この記事の要点

  • 所定内給与|東京418.3千円、全国340.6千円、青森263.9千円。差は1.59倍
  • 年収の目安|東京678万、大阪550万、沖縄411万、青森401万
  • 差の理由|本社と大企業の集中、製造業の大工場、賞与の差(東京と沖縄で2.4倍)
  • 地方に移るなら、平均でなく同じ職種の求人賃金と生活費で比べる

47都道府県の一覧(令和7年、一般労働者・産業計・企業規模10人以上)

所定内給与は残業代を除く月額、きまって支給は残業代込みの月額。年収の目安はきまって支給×12+年間賞与で私が計算した。単位は千円。

順位都道府県所定内給与(月)きまって支給(月)年間賞与年収の目安男性・所定内女性・所定内30〜34歳・所定内
1東京418.3千円448.5千円1,397.8千円678万円459.1千円349.9千円369.6千円
2神奈川368.6千円402.9千円1,086.3千円592万円406.3千円305.5千円339.2千円
3愛知341.6千円380.4千円1,138.9千円570万円368.8千円280.3千円303.9千円
4大阪348.9千円376.5千円986.4千円550万円380.3千円299.1千円309.6千円
5兵庫334.9千円369.1千円1,026.0千円546万円366.0千円279.2千円301.9千円
6千葉339.1千円371.4千円892.5千円535万円369.8千円286.8千円310.5千円
7滋賀327.0千円362.1千円991.6千円534万円352.7千円277.8千円300.8千円
8京都337.4千円366.8千円935.0千円534万円369.8千円288.7千円304.6千円
9茨城330.7千円362.3千円986.3千円533万円361.8千円271.2千円294.7千円
10栃木317.7千円350.8千円963.9千円517万円346.2千円264.6千円301.5千円
11三重321.1千円356.9千円883.0千円517万円354.5千円260.8千円285.4千円
12埼玉325.4千円357.0千円851.7千円514万円353.7千円275.2千円305.6千円
13広島320.2千円351.9千円910.5千円513万円351.8千円264.6千円290.3千円
14山梨317.3千円348.2千円924.2千円510万円348.0千円265.2千円289.1千円
15静岡314.5千円345.8千円911.9千円506万円347.3千円258.7千円290.1千円
16奈良321.8千円350.6千円803.2千円501万円348.0千円283.3千円298.3千円
17福岡314.3千円342.7千円890.9千円500万円347.0千円264.8千円289.8千円
18宮城313.7千円342.3千円885.6千円499万円348.3千円257.8千円284.9千円
19香川310.1千円340.2千円899.7千円498万円339.2千円263.1千円275.9千円
20山口306.7千円338.9千円914.9千円498万円334.4千円255.2千円295.8千円
21岐阜311.8千円340.1千円879.9千円496万円343.0千円253.8千円291.6千円
22群馬308.4千円338.6千円882.0千円495万円333.8千円260.4千円284.3千円
23長野308.9千円334.8千円899.3千円492万円338.2千円259.3千円280.1千円
24石川305.6千円331.7千円877.6千円486万円337.6千円255.9千円275.4千円
25岡山300.6千円332.2千円852.9千円484万円330.7千円254.4千円282.2千円
26富山304.8千円329.7千円877.7千円483万円334.5千円255.2千円277.8千円
27福井301.6千円326.4千円888.5千円481万円336.5千円250.3千円279.3千円
28和歌山301.9千円329.5千円814.0千円477万円331.7千円253.8千円279.1千円
29徳島305.9千円327.9千円775.8千円471万円338.9千円265.5千円282.1千円
30北海道297.1千円322.8千円792.0千円467万円325.2千円255.8千円273.6千円
31新潟291.8千円316.7千円826.1千円463万円318.8千円248.7千円267.5千円
32愛媛290.8千円316.8千円806.9千円461万円320.8千円242.6千円263.7千円
33熊本291.0千円317.1千円802.4千円461万円319.3千円247.8千円265.2千円
34大分295.2千円318.5千円751.2千円457万円325.1千円254.8千円282.5千円
35福島293.6千円318.4千円731.3千円455万円323.6千円244.5千円276.3千円
36鹿児島289.3千円313.1千円771.7千円453万円314.7千円252.4千円276.6千円
37長崎284.6千円308.1千円770.8千円447万円313.1千円248.3千円279.1千円
38島根282.6千円311.7千円724.7千円447万円305.3千円249.3千円254.3千円
39佐賀279.7千円305.8千円790.9千円446万円308.2千円241.3千円265.9千円
40高知285.8千円306.7千円629.8千円431万円315.3千円253.6千円255.9千円
41鳥取278.7千円299.1千円706.4千円430万円298.1千円252.0千円252.4千円
42岩手275.0千円301.1千円651.8千円426万円295.1千円242.0千円251.9千円
43秋田275.8千円294.8千円726.2千円426万円298.6千円242.2千円251.7千円
44山形272.2千円293.5千円715.8千円424万円302.1千円233.7千円254.3千円
45宮崎268.3千円287.6千円664.7千円412万円296.8千円235.7千円261.8千円
46沖縄277.4千円294.8千円576.8千円411万円295.6千円254.6千円265.4千円
47青森263.9千円282.4千円619.0千円401万円290.2千円229.5千円252.4千円

出典|厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 都道府県別第1表(e-Stat、2026年3月公表)。全国の所定内給与340.6千円は同調査の結果の概況。

ここまでのまとめ

所定内給与|東京418.3千円、全国340.6千円、青森263.9千円。差は1.59倍

年収の目安|東京678万、大阪550万、沖縄411万、青森401万

差の理由|本社と大企業の集中、製造業の大工場、賞与の差(東京と沖縄で2.4倍)

読み取れること

1、全国平均を超えるのは4都府県だけ。東京・神奈川・愛知・大阪。次の兵庫・千葉・滋賀・京都・茨城は年収の目安で530万台に並ぶが、所定内給与は平均を下回る。

2、東京は月給より賞与で差がつく。東京の年間賞与1,397.8千円に対し、大阪986.4千円、沖縄576.8千円。本社機能と大企業の賞与が東京の年収を押し上げている。

3、製造業の県は月給が高い。愛知・滋賀・茨城・栃木・三重は、人口規模のわりに上位に入る。大工場の正社員は勤続年数が長く、賞与も大きい。

4、30〜34歳では差が縮まる。東京369.6千円に対し、大阪309.6千円、福岡289.8千円、沖縄265.4千円。転職が多い年代では、地方との差は月4〜10万円だ。年代別の全国平均は年代別の平均給与のデータ記事で書いた。

5、女性の給与は地域差が小さい。東京349.9千円、大阪299.1千円、沖縄254.6千円、青森229.5千円。男性の差(東京459.1千円と青森290.2千円で1.58倍)より小さく、女性が地方に移る時の年収の減り幅は男性より小さい。

差が生まれる理由

理由内容
産業東京は情報通信・金融・専門サービスの比率が高く、地方は医療福祉・小売・宿泊飲食の比率が高い(業界別の平均給与のデータ記事
企業規模1,000人以上の企業の本社が東京に集中。大企業と中小の差は月6〜8万円
賞与大企業ほど賞与が多く、東京の年収を押し上げる
年齢と勤続地方は平均年齢が高く勤続が長いが、給与カーブが緩い

同じ職種・同じ企業規模で比べれば、差は1〜2割に縮まる。平均の差は、その県にどんな会社があるかの差だ。

地方に転職する時の年収の見方

  1. 平均でなく、同じ職種の求人賃金で比べる。ハローワークの職業別求人賃金と、その県の有効求人倍率を見る(都道府県別の有効求人倍率のデータ記事
  2. 家賃と車の維持費を入れて手取りの残りで比べる。東京と地方の家賃差は月5〜8万円。年収100万円の差は、家賃差で消える(年収別の手取り早見表の記事
  3. 求人票の年収が県の平均より低いなら、その会社が安い。表の年収の目安を、求人票の額と並べる

リモートで都市の給与を地方で受け取る

もうひとつの選択が、東京か大阪の会社の給与のまま、フルリモートで地方に住むことだ。私は4社目の大阪の会社で、リモートと育休制度を重視して年収を下げて入り、3年かけて信頼を作ってから沖縄に移住してフルリモートで働いた。沖縄の平均年収411万円の土地で、大阪水準の給与を受け取ると、家賃と生活費の差がそのまま手元に残る。移住の順番とリモート求人の探し方は地方移住とリモート転職の記事で書いた。

よくある誤解

「地方は給与が3割低いから転職すると損」。平均の差は産業と企業規模の差で、同じ職種・規模なら1〜2割。家賃差を入れると手取りの残りは変わらないことが多い。

「東京に出れば年収が上がる」。上がるのは東京の大企業に入れた場合で、東京の中小のサービス業は地方と変わらない。上がるかどうかは県でなく会社で決まる。

職種別の平均年収(公的データ)

令和7年賃金構造基本統計調査の145職種の年収の目安は、営業661万・ソフトウェア作成者578万・総合事務員541万・看護師525万・大型トラック運転者507万・介護職員388万・販売店員385万と、同じ会社員でも2倍近く開く。差は賞与で生まれ、未経験から上げるなら営業・情報処理・資格職に移る。全職種の一覧は職種別の平均年収ランキングのデータ記事で書いた。

ボーナスの平均(公的データ)

毎月勤労統計の特別集計で令和7年の賞与は夏426,337円・年末424,889円で年間約85万、支給月数は合わせて約2.1ヶ月。産業別は電気ガス186万・情報通信153万から医療福祉59万・飲食16万まで10倍の差があり、賞与のある事業所で働く人は86.5%。産業別の表はボーナスの平均のデータ記事で書いた。

よくある質問

この表の年収の目安は、国税庁の平均年収と違いますか?

違う。この表は一般労働者(フルタイム)だけの月給×12+賞与で、国税庁の民間給与実態統計はパートを含む全給与所得者の平均(478万円)だ。フルタイムで比べるならこの表、全体の位置を見るなら国税庁の表を使う(平均年収478万円のデータ記事)。

自分の県の自分の年齢の平均を知りたい

e-Statの都道府県別第1表に、県ごとに年齢階級別・男女別の所定内給与が載っている。表の30〜34歳の列はそこから取った。他の年代は原典で確認できる。

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