転職を考え始めて、「まず自己分析」と言われた。就活のときにやった自己分析を思い出して、気が重くなっていないか。モチベーショングラフ、幼少期の思い出、強みと弱み。あれをもう一度やるのかと。
やらなくていい。社会人の自己分析は、就活のそれとは別物だ。材料が違うからだ。就活時のあなたには実務経験がなかった。今のあなたには、数年分の実績と失敗の記録がある。推測で掘る必要はもうない。事実から掘れる。
この記事の要点
- 就活の自己分析は推測ベース。社会人は実績ベースで掘れる
- 質問は3つでいい。成果・消耗・没入を仕事名で答える
- 診断は答えではなく語彙をくれる道具として使う
- 一人で詰まったら、話しながら掘る方法に切り替える
就活の自己分析を、社会人がやってはいけない理由
就活の自己分析は、実務経験ゼロという制約の中で作られた方法だ。仕事をしたことがない人の適性を推測するには、性格や過去の行動パターンから間接的に読むしかなかった。
社会人が同じ方法をやると、精度が落ちる。実績という一次情報を持っているのに、性格という間接情報から推測し直すことになるからだ。
- 就活の自己分析 — 「私は慎重な性格だから、正確さが求められる仕事が向いているはず」(推測)
- 社会人の自己分析 — 「データの検品作業でミスを2年間ゼロに抑えた。逆に飛び込み営業では数字が出なかった」(事実)
下の方が、圧倒的に強い。向いているはず、ではなく、向いていた、で語れる。これが社会人の特権になる。
3つの質問で掘る。全部、仕事名で答える
やり方は単純だ。3つの質問に、過去の具体的な仕事名で答えていく。
質問1、成果が出た仕事はどれか。なぜ出たか
数字でも評価でも感謝でもいい。うまくいった仕事を3つ挙げて、共通点を探す。
要点は「なぜ出たか」の方だ。一人で黙々と詰められたからか。締切がタイトだったからか。相手の反応が見えたからか。成果の中身より、成果が出た条件の方が、次の環境選びに使える。
質問2、消耗した仕事はどれか。何が原因か
こちらの方が重要になる。人は得意なことより、消耗する条件の方が再現性が高い。
消耗した仕事を3つ挙げて、原因を分ける。業務の内容だったのか、進め方だったのか、人だったのか、量だったのか。ここで出た条件が、次の会社で避けるべき条件のリストになる。
質問3、時間を忘れて没入した作業は何か
楽しかった仕事ではなく、気づいたら時間が経っていた作業を拾う。楽しさの記憶は美化されるが、没入は事実として残っているからだ。
資料の作り込み、原因の調査、人への説明、数字の分析。作業の単位まで分解して拾うのが要点になる。「企画の仕事」ではなく「企画の中の、データを眺めて仮説を立てる時間」まで割る。
この3問の答えが揃うと、得意な条件・避ける条件・没入する作業の3点セットができる。これが自己分析の成果物だ。志望動機も職務経歴書も、この3点から組み立てられる。書き方への接続はキャリアの棚卸しのやり方に分けて書いた。
診断の正しい使い方。答えではなく語彙をもらう
自己分析の話をすると、診断ツールでいいのでは、という疑問が出る。半分正しい。
診断が返すのは、あなたの答えではない。あなたの感覚に名前をつける語彙だ。「自分は人と競うより、コツコツ積む方が動ける」という漠然とした感覚が、診断の結果で言葉になる。言葉になると、棚卸しが一気に進む。
当サイトの無料診断は、この用途で作ってある。登録不要で、それぞれ数分で終わる。
- 市場価値タイプ診断 — 自分の強みがどの型かを言葉にする
- 辞めどき診断 — 今の状態が動く時期かどうかを判定する
- エージェント相性診断 — 動くと決めた後の窓口選びに使う
順番は、市場価値タイプ→辞めどき→(動くなら)エージェント相性になる。診断の選び方全体は転職診断はどれを使うべきかにまとめた。
市場の反応という外の物差しも足したい人は、想定年収の測定を挟むと材料が増える。
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登録後の流れ|① 質問に答えて経歴を登録する(10分弱) → ② 想定年収が表示される → ③ 自己分析の結果と市場の反応を突き合わせる
一人で詰まる場所と、その先の選択肢
3つの質問は、一人でやると2箇所で詰まりやすい。
詰まり1、自分の実績が当たり前に見える。2年ミスゼロで回した検品も、本人には「普通にやっただけ」に見える。自分の強みは、自分にとって空気と同じで見えない。
詰まり2、答えは出たが、解釈ができない。没入する作業は拾えたが、それがどんな仕事や環境に繋がるのかが分からない。選択肢の知識がないと、翻訳ができない。
この2つは、質問してくれる相手がいると突破できる。「それは誰にでもできることですか」「そのとき何が嬉しかったですか」と掘ってもらうと、自分では見えなかった当たり前が言葉になる。
相談先の型だけ、間違えないでほしい。行き先が決まっている人はエージェントでいい。書類や面接の材料として自己分析を一緒に整理してもらえる。決まっていない人がエージェントに行くと、求人の話が先に始まる。窓口の仕組み上そうなる。
決まっていない段階で、掘る作業そのものを手伝ってほしいなら、求人を紹介しない型の相談になる。
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相談の流れ|① 無料相談を申し込む → ② 3つの質問で詰まった場所を話す → ③ 続けるかは内容と料金を聞いてから決めればいい
求人を紹介されないから、転職を前提にせず掘れる。掘った結果「今の会社で続ける」という結論になっても構わない場所だ。本編は有料なので、無料相談で判断すればいい。
自己分析に終わりはない。だから期限を切る
最後に、一番多い失敗を書いておく。
自己分析を完成させてから動こうとして、半年止まる。
自己分析に完成はない。掘れば掘るほど新しい問いが出る。だから期限を切る。2週間で3つの質問に答えて、その時点の答えで動き始める。動いた先の経験が、また新しい材料になる。分析と行動は交互にやるものであって、順番に並べるものではないんよ。
あわせて検索される疑問に、先に答えておく
強みが本当に1つも見つかりません
見つからないのではなく、基準が高すぎる場合がほとんどだ。強みと聞くと、他人に勝てる特技を探してしまうが、実務で使われる強みはもっと地味だ。納期に遅れない。嫌な連絡を後回しにしない。分からないことを放置せず聞ける。これらは全部、できない人が実在する立派な強みになる。3つの質問の1問目を「褒められたこと・感謝されたこと」に置き換えて拾い直してみてほしい。
自己分析の結果、今の会社が合っている気がしてきました
それは失敗ではなく、立派な成果だ。自己分析は転職のための儀式ではなく、判断の材料を作る作業になる。材料を並べた結果「残る」になったなら、それは消去法の我慢ではなく、根拠のある選択に変わっている。同じ会社にいても、選んで残っている人と、流れで残っている人では、その後の動き方がまったく違う。
診断ごとに結果が違って、どれを信じればいいか分かりません
診断は測る角度が違うから、結果が揃わないのは普通のことだ。信じる・信じないの対象ではなく、複数の結果に共通して出てくる要素だけを拾うのが実務的な使い方になる。3つ受けて2つ以上で出てきた傾向は、角度を変えても見える特徴だから信頼度が高い。1つの診断にしか出ない結果は、参考程度に置いておけばいいんだわ。
よくある質問
社会人の自己分析は就活のときと何が違いますか?
材料が違う。就活は性格からの推測だったが、社会人は実績という事実から掘れる。やり方も別物になる。
自己分析は何から始めればいいですか?
3つの質問に仕事名で答える。成果が出た条件、消耗した原因、没入した作業。この3点セットが成果物になる。
自己分析が一人でできない場合はどうすればいいですか?
無料診断で語彙をもらうか、人と話しながら掘る。決まっていない段階なら、求人を紹介しない相談の方が噛み合う。
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成果・消耗・没入を掘る質問シートを、公式LINEで無料配布している。推測ではなく、事実から掘ることだわ。


