有給が何日あるのか、正確に把握していない。給与明細に残日数が載っているが、増え方も、いつ消えるのかも知らない。辞める時に全部使えるのかも分からない。

半年で10日、6年半で20日。半年で10日、6年半で20日。使わない分は2年で消える。付与日数の表と、パートの比例付与と、年5日の義務と、退職時に使い切る計算を書く。

先に一文で。有給はフルタイムで入社6ヶ月に10日、以後1年ごとに増えて6年6ヶ月から毎年20日、週4日以下のパートは比例付与(週4日なら7日〜15日)、年10日以上の人は年5日の取得が会社の義務、時効は2年で最大40日まで貯まり、転職でリセットされ、退職時は残日数を全部使える。

この記事の要点

  • フルタイム|6ヶ月で10日、6年6ヶ月以降は毎年20日
  • 週4日のパート|6ヶ月で7日、6年6ヶ月以降15日(比例付与)
  • 年5日は取得が義務(会社が時季指定してでも取らせる)
  • 時効2年で最大40日。転職でリセット。退職時は全部使える

付与日数(フルタイム)

週5日以上、または週30時間以上の人。出勤率8割以上が条件。

勤続年数付与日数繰越しを含む最大
6ヶ月10日10日
1年6ヶ月11日21日
2年6ヶ月12日23日
3年6ヶ月14日26日
4年6ヶ月16日30日
5年6ヶ月18日34日
6年6ヶ月以降20日(毎年)40日

正社員だけでなく、契約社員・派遣社員・パート・アルバイトも対象。派遣は派遣元から付与され、派遣先が変わっても派遣元での勤続が続けば日数は増える。

パート・アルバイトの比例付与

週4日以下かつ週30時間未満の人。

週の勤務日数6ヶ月1年6ヶ月2年6ヶ月3年6ヶ月4年6ヶ月5年6ヶ月6年6ヶ月以降
週4日7日8日9日10日12日13日15日
週3日5日6日6日8日9日10日11日
週2日3日4日4日5日6日6日7日
週1日1日2日2日2日3日3日3日

週30時間以上ならフルタイムと同じ日数。週4日でも1日8時間なら32時間なので、比例付与でなく10日から始まる。

年5日の取得義務(2019年〜)

年10日以上付与される労働者には、会社が年5日を確実に取得させる義務がある。本人が申し出ない場合は、会社が時季を指定して取らせる。違反は労働者1人あたり30万円以下の罰金。

つまり、「有給を取らせない会社」は違法の状態になる。取れていない場合は、会社の義務違反として労基署に相談できる(労働基準監督署に相談するとどうなるかの記事)。

時効と転職

  • 有給の時効は2年。使わなかった分は翌年度に繰り越せるが、それ以上は消える
  • 付与20日の人が2年分繰り越せば最大40日
  • 転職すると勤続年数はリセットされ、次の会社で6ヶ月後にまた10日から始まる。この6ヶ月は有給がないので、転職の時期を決める時に見ておく(転職の空白期間の社会保険の記事

退職時に使い切る計算

  1. 残日数を確認する(給与明細・勤怠システム・人事)
  2. 退職日から逆算する。残20日なら、最終出社日の翌営業日から約1ヶ月(土日を含めて4週間強)
  3. 退職届と一緒に、メールなど記録に残る形で有給消化の希望を伝える
  4. 引き継ぎの計画を出す(退職の引き継ぎはどこまでかの記事

有給の期間も給与が出て、社会保険も続く。会社は時季変更権しか持たず、退職日が決まっていて他に取れる日がない場合は拒否できない。逆算の具体は退職日から有給を逆算する記事、消化中の過ごし方は有給消化とは何かの記事で書いた。

買取が認められる3つの例外

原則、有給の買取は違法(取得を妨げるため)。例外は3つで、会社が任意で買い取ってもよいもの。

例外内容
時効で消える分2年を過ぎて消滅する分
退職時に残った分消化しきれずに退職する場合
法定日数を超える上乗せ分会社が独自に付与している分

義務ではないので交渉になる。相場は1日あたり平均賃金か所定内賃金の1日分(有給の買い取りは違法なのかの記事)。

取得率の現実

年次有給休暇の取得率は業界と企業規模で差が大きい(有給取得率のデータ記事)。求人票の「年間休日」に有給は含まれないので、年間休日120日+有給20日が実際に休める日数になる。

私の1社目は美容業界のブラック企業で、有給の話が出たことがなかった。残日数を見たこともないまま辞めた。今の基準なら年5日の取得義務があり、取らせない時点で会社の違反になる。まず明細で残日数を見るところから始まる。

よくある誤解

「有給は会社が認めた時だけ取れる」。取得は労働者の権利で、会社にあるのは時季変更権だけ。理由を聞かれても答える義務はない。

「パートには有給がない」。週1日でも半年働けば付与される。比例付与で日数が変わるだけだ。

制度の導入率でホワイト企業を見分ける(公的データ)

令和7年就労条件総合調査で、完全週休2日制は65.5%(1,000人以上77.9%・30〜99人62.6%)、年間休日は1企業平均112.4日で120日以上は39.3%、特別休暇制度60.3%、勤務間インターバル6.9%、フレックス8.3%、割増率26%以上は4.6%。規模が大きいほど制度が揃う。企業規模別の一覧は制度の導入率でホワイト企業を見分けるデータ記事で書いた。

その業務委託は偽装請負かもしれない

偽装請負かどうかは契約書の名前でなく実態で判断され、①依頼を断る自由②業務の遂行方法への具体的な指揮命令③場所と時間の拘束④代替性の有無⑤報酬が時間単位か、の5要素と補強要素で総合的に見られる。労働者と判断されれば、残業代(原則3年分)・有休・社会保険・解雇の制限・労災がまとめて適用される。判定はその業務委託は偽装請負かもしれないの記事で書いた。

よくある質問

出勤率8割の計算はどうなりますか?

全労働日のうち出勤した日の割合。業務上のけがの療養期間、産前産後休業、育児・介護休業、有給を取得した日は出勤したものとして扱う。

半日有給・時間単位の有給は使えますか?

半日有給は会社の運用で可能。時間単位の有給は、労使協定があれば年5日分まで取れる。年5日の取得義務のカウントには、時間単位の分は含まれない。

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