毎月数字を作って、社内でも上位で、それで年収500万台。この数字感覚のまま10年働いた自分を想像して、ぞっとした。営業をやっている人の700万への疑問に、最初に答えを出す。
営業で年収700万は現実的だ。ただし、あなたの営業力ではなく、扱う商材で決まる。同じ営業力でも、業界を変えるだけで天井が200万動く。この記事では業界別の天井と、低い天井の下から抜け出す移り方を書く。
この記事の要点
- 営業の年収は営業力×商材単価で決まる。頑張りの差より商材の差が大きい
- 700万が現実的なのは、SaaS・IT・金融・メーカー上流など単価の高い無形・法人営業だ
- 営業→営業の業界またぎは、転職市場で最も通りやすい移動だ
- 実績は数字で語る。達成率・順位・案件規模の3点が移動のパスポートになる
結論の一覧。業界別に700万の現実度を書く
| 業界・商材 | 700万の現実度 | 理由 |
|---|---|---|
| SaaS・ITサービス | 高い。20代後半でも届く人が出る | 商材単価と利益率が高く、歩合と昇給の原資がある |
| 金融・保険(法人) | 高い。ただし成果の波が大きい | 単価最上位帯。成果主義の色が濃い |
| メーカー(上流・海外) | 中〜高。大手なら年功でも届く | 安定して高いが、昇給の速度は年功に縛られる |
| 人材・広告 | 中。成果を出す人は速い | 営業力で稼ぐ文化。波はそのまま収入の波になる |
| 小売・個人向け低単価 | 低い。管理職でようやく | 商材単価が低く、歩合の原資が薄い |
見ての通り、下の行から上の行への移動が、営業の年収戦略のほぼ全てだ。業界内で頑張る戦略は、上の行にいる人だけが取っていい選択肢なんよ。
なぜ商材で決まるのか。歩合の原資を考えれば分かる
あなたの給料は、あなたが生む粗利から払われる。ここから3行で説明が終わる。
- 単価100万の商材を月3件売る営業と、単価1,000万の案件を四半期に2件決める営業では、生む粗利の桁が違う
- 粗利の大きい営業には、会社は高い給料と歩合を払える。払わないと他社に取られるからだ
- 低単価・薄利の商材では、どれだけ件数を積んでも歩合の原資が細い。あなたの頑張りが足りないのではなく、分配できる金がそもそもない
私は美容業界で、頑張りと収入が繋がらない世界を見てきた。あの業界の給与水準は働く人の質の問題ではなく、商材と客単価の問題だった。営業も同じ力学の中にいる。
検索されている疑問への答え。SaaS営業と年収700万
「営業 SaaS 年収700万」で検索する人が増えているが、この組み合わせが注目されるのには理由がある。
- SaaSは解約されない限り収益が積み上がる事業モデルで、利益率が高い。営業に払う原資が太い
- 業界全体が採用拡大局面にあり、法人営業経験者なら業界未経験でも門が開いている
- 給与テーブルが市場競争で引き上げられており、700万クラスの求人が公開・非公開ともに多い
つまりSaaS営業は、「いまの営業力を高い天井の下に持ち込む」移動先の代表格だ。ただし、THE MODEL型の分業(インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセス)など働き方の型が従来営業と違う。面接前に事業と役割の言葉だけは押さえておけ。
移り方。低い天井から抜ける4ステップ
ステップ1:実績を数字に変換する
移動のパスポートは数字だ。達成率・社内順位・案件規模・新規と既存の比率。この4点をこの週末に書き出せ。「頑張った」は市場で換金できないが、「達成率120%を6期連続」は換金できる。書き方の型は職務経歴書は数字で語れにまとめてある。
ステップ2:適正年収を測って距離を知る
今の自分の値段と700万の距離を数字で見る。距離が分かれば、1回の転職で届くのか2段構えが要るのかが決まる。測り方は市場価値の測り方 完全ガイドを読め。
ステップ3:スカウトで買い手の反応を実測する
レジュメを置いて、どの業界からどの年収帯の声が来るかを観測する。
営業実績を数字で書いたレジュメは、スカウト市場で反応が出やすい部類だ。届く声の年収帯が、あなたの営業力の市場価格になる。
ステップ4:道順から詰めたいなら面談で壁打ちする
どの業界のどの営業職を狙うか、方向から相談したい20代〜30代前半はこれだ。
営業職はアサインが得意とする領域の1つで、目先の求人より数年後のポジションから逆算する型が合う。中身はアサインの評判で分解した。
きつさの正直な話。700万の値札の裏面
年収が上がる移動には、変わるきつさの種類も書いておく。
- 低単価営業のきつさ:件数の物量、断られ続ける消耗、休日の少なさ
- 高単価営業のきつさ:1件の重さ、長い商談期間の管理、数字への責任の濃さ
体力の消耗から思考の負荷へ、きつさの種類が変わる。物量で削られている人にとって、この移動はきつくなるより楽になることが多いというのが、相談を受けてきた実感だ。ただし責任の重さから逃げたい人には、700万の営業は向かない。そこは正直に書いておく。
なお、営業そのものが嫌いになっているなら話が別だ。不動産営業がきつくて辞めたいで書いた「営業が嫌いか、環境が無理か」の切り分けを先にやれ。嫌いなら、この記事の戦略ごと変える必要がある。
まとめ
- 営業の700万は現実的だ。ただし決めるのは営業力ではなく商材の単価と利益率だ
- 現実度が高いのはSaaS・IT・金融・メーカー上流。低単価商材の下では頑張っても天井が来る
- 営業→営業の業界またぎは最も通りやすい。数字の実績がパスポートになる
- 手順は4つ。数字化→測定→スカウトで実測→必要なら面談で道順を詰める
- きつさは消えず、種類が変わる。物量から思考へ。責任から逃げたい人には向かない
全体の地形(業界と職種の選び方)は年収700万を狙える業界と職種の決定版にまとめてある。営業という武器を、どの戦場で使うか。それだけの話なんよ。
よくある質問
営業で年収700万は何年目から狙えますか?
年次ではなく商材で決まる。単価の高い無形商材(SaaS・IT・金融)なら20代後半で届く人が出るし、低単価商材なら20年やっても届きにくい。今の会社での年次を数える前に、今の商材の天井を確認する方が先だ。
営業経験がない業界にも移れますか?
営業から営業への業界またぎは、転職市場で最も通りやすい移動の1つだ。企業が買っているのは業界知識ではなく、数字を作った再現性だからだ。実績を数字で語れれば、SaaSやITの営業は未経験業界でも土俵に乗る。
営業の年収700万はきついですか?
楽ではない。目標数字への責任は単価が上がるほど重くなる。ただし低単価商材の物量のきつさと、高単価商材の思考のきつさは種類が違う。体力で消耗しているなら、きつさの種類を変える移動はむしろ楽になる場合がある。
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