月曜の朝、楽しみだと思ったことは一度もない。仕事は、こなすものになっている。ふと思う。仕事って、こういうものなのか。それとも自分の選択が間違っているのか。
この問いには、実は答えの型がある。「楽しくない」を1つの状態として扱うから答えが出ない。3段階に割ると、我慢していい範囲と動くべき範囲の線が引ける。
この記事の要点
- 楽しくない時間が大半なのは普通だ。仕事は他人の課題を解く行為だからだ
- ただし「楽しくない」には3段階ある。淡々・退屈・消耗
- 判断の軸は楽しさではなく、蓄積と消耗の2つになる
- 探すべきは楽しい仕事ではなく、没入の比率が高い仕事だ
前提。仕事が常時楽しい人は、ほぼいない
まず基準を直す。
仕事は、他人の課題を解いて対価を受け取る行為だ。自分のやりたいことではなく、誰かの困りごとが起点になっている。だから、楽しくない工程が大半を占めるのは、労働の性質そのものになる。
SNSで「仕事が楽しい」と発信している人も、切り取られた瞬間を見ているだけだ。楽しさが常時続く仕事を基準にすると、全ての仕事が失格になる。その基準ではかるのを、まずやめていい。
ただし——だから全部我慢しろ、という話ではない。ここからが本題だ。
「楽しくない」の3段階。自分がどこにいるか
同じ「楽しくない」でも、中身は3段階に分かれる。
段階1、淡々としている
楽しくはないが、苦痛でもない。仕事は回っていて、終業後は普通に過ごせる。これは健全な状態だ。多くの働く大人の日常はここにある。
この段階なら、問題は仕事ではなく期待値の設定にある。仕事に楽しさを求めすぎているか、仕事以外の生活に物足りなさがあって、その空白を仕事のせいにしている場合もある。
段階2、退屈で時間が止まって見える
時計を何度も見る。成長の実感がない。淡々と退屈の違いは、時間の感覚に出る。淡々は時間が普通に流れるが、退屈は時間が止まる。
この段階は、蓄積が止まっているサインだ。仕事に飽きたのではなく、学習曲線が平らになっている。放置すると、can(できること)が増えないまま年齢だけが増える。楽しさの問題ではなく、キャリアの問題として扱った方がいい。
段階3、消耗して生活に影響が出ている
日曜の夜が重い。疲れが抜けない。仕事のことを考えると食欲や睡眠が乱れる。これは楽しくないのではなく、削られている。
この段階は、我慢の対象ではない。眠れない・食べられない・涙が出るといった身体の症状が出ているなら、先に行くべきは医療機関だ。仕事のストレスで何科に行けばいいかに受診前の疑問をまとめてある。症状の手前なら、環境を変える検討を始める段階になる。
判断の軸を楽しさから変える。蓄積と消耗の2軸
3段階のどこにいるか分かったら、続けるかどうかの判断に移る。ここで楽しさを判断の中心に置かないのが要点になる。楽しさは日によって変わる、変動の大きい指標だからだ。
代わりに使うのは2軸だ。
軸1、蓄積。この仕事を続けて、できることが増えているか。市場で通用する経験が積み上がっているか。
軸2、消耗。心身が削られていないか。終業後と休日に、自分の生活が残っているか。
この2軸で、4象限ができる。
| 消耗していない | 消耗している | |
|---|---|---|
| 積み上がっている | 続ける価値が高い | 期限を切って続けるか、ペース調整 |
| 積み上がっていない | 居心地はいいが停滞。動く検討を | 最優先で動く |
楽しくなくても、左上にいるなら続ける合理性がある。逆に右下にいるなら、楽しさ以前の問題として動く理由が揃っている。楽しいかどうかを聞かれると迷う人も、この4象限のどこかは即答できるはずだ。
探すべきは「楽しい仕事」ではない
段階2や右側の象限にいて、動くことを考え始めた人へ。次を探すときの基準も、楽しさにしない方がいい。
存在するのは、楽しい仕事ではなく——
- 没入できる作業の比率が高い仕事。気づいたら時間が経っていた、が起きやすい業務構成
- 消耗する条件が少ない環境。あなたを削る要素(詰める文化、深夜勤務、合わない対人量)がない場所
この2つは、自分の過去から特定できる。没入した作業の拾い方は社会人の自己分析のやり方に、消耗条件の洗い出しはキャリアの棚卸しの手順に書いた。
自分の傾向を先に数字で見たい人は、診断から入ると速い。
*クリックすると公式サイトが開く。質問に答えると、自分の適職タイプと向いている環境の傾向が分かる。*
利用の流れ|① 質問に答える(10分前後) → ② 適職タイプが表示される → ③ 没入の比率が高い仕事の仮説に使う
一人で判断がつかないときの分岐
4象限のどこにいるかが自分で判定できない、あるいは判定はできたが動くかどうかを決めきれない。その場合は、人と整理する選択肢がある。
分岐は1つだけだ。動くと決めているか、決めていないか。
決めている人はエージェントでいい。求人と実務が前に進む。決めていない人がエージェントに行くと、求人の話が先に始まって、判断の前に選択肢だけが増える。
決めていない段階の相談先は、求人を紹介しない型になる。
*クリックすると公式サイトが開く。求人紹介をしないキャリアコーチングで、初回の相談は無料だ。*
相談の流れ|① 無料相談を申し込む → ② 4象限のどこにいるか、判定に迷う部分を話す → ③ 続けるかは内容と料金を聞いてから決めればいい
求人を紹介されない=転職を強要されない。整理した結果「段階1だった。期待値を直して続ける」という結論も普通にある場所だ。本編は有料なので、無料相談で判断すればいい。効く人と無駄になる人の分かれ目はキャリアコーチングが効く人・金の無駄になる人に正直に書いた。
我慢の基準線。最後にまとめる
この記事の結論を1枚にする。
- 淡々としているだけなら、我慢の範囲。期待値を直し、仕事の外の生活を作る
- 退屈で蓄積が止まっているなら、我慢の期限を切る。社内の異動や業務の変更で蓄積を再開できないか試し、駄目なら外を見る
- 消耗して生活に影響が出ているなら、我慢の対象外。症状があれば受診が先、なければ環境を変える検討を始める
楽しくないこと自体は、辞める理由にも続ける理由にもならない。蓄積と消耗で見る。この2軸だけが、感情に流されない基準線になるんよ。
辞めたい気持ちが甘えかどうかで悩んでいる人は仕事を辞めたいのは甘えなのかの記事、モヤモヤの正体から分解したい人は仕事は嫌いじゃないのに人生がモヤモヤする正体へ。
あわせて検索される疑問に、先に答えておく
楽しそうに働いている同僚を見ると、自分がおかしい気がします
見えているのは相手の一部だ。楽しそうに見える同僚にも、淡々とこなしている時間と消耗している時間がある。そして仕事への感じ方は、業務との相性だけでなく、期待値・体調・生活の状況で変わる。同じ職場で感じ方が違うのは、どちらかがおかしいのではなく、条件が違うだけになる。比べるべきは同僚ではなく、4象限の中の自分の位置だわ。
若いうちの仕事は楽しくなくて当然、と上司に言われました
半分正しく、半分古い。下積み期に楽しくない工程が多いのは事実だが、楽しくないことと、蓄積がないことは別物だ。楽しくなくても技能が積み上がる下積みは投資になるが、楽しくなくて何も積み上がらない業務は、若さと関係なくただの消耗になる。上司の言葉を採用するかどうかは、その仕事が2軸のどこにあるかで決めればいい。
趣味を仕事にすれば楽しくなりますか
慎重に考えた方がいい。趣味が仕事になると、他人の締切と他人の要求が入る。楽しさの源泉だった自由が、労働の条件で削られるからだ。趣味を仕事にしてうまくいく人は、その領域の作業自体に没入できる人で、自由だから楽しかった人は仕事化で楽しさを失いやすい。見分けるには、締切と修正依頼がある状態でその作業をやってみることだ。副業で小さく試すのが、一番安全な実験になるんだわ。
よくある質問
仕事が楽しくないのは普通ですか?
楽しくない時間が大半なのは普通だ。ただし淡々・退屈・消耗の3段階のどこにいるかで、我慢していい範囲かが分かれる。
楽しくない仕事を続けるべきか、どう判断すればいいですか?
楽しさではなく蓄積と消耗の2軸で判断する。積み上がっていて消耗していないなら、続ける合理性がある。
楽しい仕事は存在するのでしょうか?
常時楽しい仕事はほぼない。探すべきは没入できる作業の比率が高い仕事と、消耗する条件が少ない環境だ。
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蓄積と消耗の2軸で今の仕事を判定するシートを、公式LINEで無料配布している。楽しさで測るから迷う。軸を変えれば線は引けるわ。

