ふるさと納税をやってみたいが、上限が分からない。超えたら損だと聞いて手が出ない。年収でいくらまでなのか、家族がいると変わるのか、転職した年はどうなるのかが分からない。
上限は年収でなく、住民税の所得割で決まる。上限は住民税の所得割で決まる。年収でなく、去年の税額で見る。年収別・扶養別の早見表と、仕組みと、ワンストップの使い分けと、上限が動く年を書く。
先に一文で。ふるさと納税の上限は住民税の所得割額×20%÷(100%−10%−所得税率×1.021)+2,000円で決まり、令和8年分の税制で単身なら年収500万で約5.8万・600万で7.8万・800万で13.2万、扶養や配偶者がいると1〜2割下がり、iDeCoや医療費控除で税が減ると上限も下がり、ワンストップは5自治体以内で確定申告をすると無効になる。
この記事の要点
- 単身|年収500万で約5.8万、600万で7.8万、800万で13.2万、1,000万で18.5万
- 扶養1人・配偶者控除あり|500万で5.1万、600万で7.0万、800万で12.2万
- 上限は住民税の所得割で決まる。iDeCo・医療費控除で下がる
- ワンストップは5自治体以内。確定申告をすると無効になる
年収別・家族構成別の上限(令和8年分の税制で計算)
40歳未満・東京・社会保険料控除と基礎控除のみで私が計算した目安。1,000円単位で切り捨てている。
| 年収 | 単身(共働きも同じ) | 配偶者控除あり/扶養1人 | 住民税の所得割(単身) | 所得税率 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 約2.9万円 | 約2.1万円 | 11.5万円 | 5% |
| 400万円 | 約4.3万円 | 約3.5万円 | 17.4万円 | 5% |
| 500万円 | 約5.8万円 | 約5.1万円 | 24.0万円 | 5% |
| 600万円 | 約7.8万円 | 約7.0万円 | 30.5万円 | 10% |
| 700万円 | 約11.0万円 | 約8.8万円 | 37.4万円 | 20% |
| 800万円 | 約13.2万円 | 約12.2万円 | 45.2万円 | 20% |
| 1,000万円 | 約18.5万円 | 約17.5万円 | 63.6万円 | 20% |
| 1,200万円 | 約25.0万円 | 約24.0万円 | 82.5万円 | 23% |
年収600万円と700万円の間で上限が跳ねるのは、所得税率が10%から20%に上がる位置に課税所得が入るため。年収が少し増えただけで上限が3万円以上増えることがある。住民税の額の元の表は住民税の年収別早見表の記事で書いた。
上限が決まる仕組み
上限=住民税の所得割額×20%÷(100%−住民税の基本分10%−所得税率×1.021)+2,000円
寄附額−2,000円が、①所得税から(寄附額−2,000円)×所得税率、②住民税の基本分から(寄附額−2,000円)×10%、③住民税の特例分から残り、の3つに分かれて戻る。③には住民税の所得割額の20%という上限があり、これが全体の上限を決める。
つまり、年収が同じでも、税が減っている人ほど上限は低い。
| 上限が下がる要因 | 効き方 |
|---|---|
| iDeCo・小規模企業共済 | 掛金の分だけ課税所得が減り、所得割も減る(iDeCoの上限引上げと節税額の記事) |
| 医療費控除 | 同上 |
| 住宅ローン控除 | 所得税から直接引かれるので、上限の計算に使う所得税率の実質が変わる |
| 扶養・配偶者控除 | 課税所得が減る |
| 育休・休職で収入が減った年 | 所得割が減る |
ワンストップと確定申告
| ワンストップ特例 | 確定申告 | |
|---|---|---|
| 使える人 | 確定申告をしない給与所得者で、寄附先が5自治体以内 | 6自治体以上、他の理由で申告する人、副業がある人、年収2,000万円超 |
| 手続き | 寄附ごとに申請書を自治体へ。翌年1月10日必着 | 翌年3月16日まで(還付だけなら5年) |
| 戻り方 | 所得税の還付なし。全額が翌年6月からの住民税から控除 | 所得税の還付+住民税の控除 |
| 落とし穴 | 確定申告をすると全て無効になる | 申告書に寄附金控除を書き忘れると控除ゼロ |
最も多い失敗は、ワンストップを出した後に医療費控除で確定申告をして、寄附を書き忘れること。申告する年は、ふるさと納税も必ず申告書に入れる(会社員でも確定申告が必要な人の記事)。
上限が大きく動く年
| 年 | 動き方 |
|---|---|
| 転職して年収が上がった | 上限は上がる。ただしその年の所得で決まるので、12月の見込みで判断する |
| 転職の空白で年収が下がった | 上限は下がる。上半期の寄附が上限を超えることがある(転職した年のふるさと納税の記事) |
| 独立した年 | 事業所得で計算する。1年目は所得が読めないので、12月に確定してから寄附する |
| 育休・産休の年 | 給付は非課税なので所得が激減し、上限もほぼ消える(育休の手当はいくらもらえるかの記事) |
| 退職して無職の期間がある | 同上 |
ふるさと納税は、その年の1月〜12月の所得で上限が決まる。前年の源泉徴収票で計算するのは目安で、収入が動く年は12月に確定してから寄附する。
独立した人の場合
フリーランスは事業所得で計算する。売上でなく、経費と青色申告控除を引いた後の所得が基準になるので、経費を多く入れた年は上限が下がる。予定納税や消費税とは別枠で、寄附は12月31日までに決済を済ませる(フリーランス1年目の確定申告のやり方の記事、フリーランスの節税の順番の記事)。
私は会社員の時からふるさと納税を使っていて、独立してからは所得が読めるようになる12月に寄附している。1年目は所得の見込みが外れて、上限より少なめに抑えた。超えた分は返礼品の価値(寄附額の3割程度)しか戻らないので、読めない年は少なめでいい。
よくある誤解
「年収が同じなら上限も同じ」。iDeCo・医療費控除・住宅ローン控除で税が減っている人は上限も下がる。控除を全部入れて計算する。
「上限を超えても2,000円の負担で済む」。超えた分は全額自己負担。戻るのは返礼品の価値だけだ。
医療費控除はいくら戻るか
医療費控除は(医療費−補てん額−10万円、総所得200万未満は総所得の5%)×(所得税率+住民税10%)が戻る仕組みで、令和8年分では年収500万で15%・600万で20%・800万で30%。医療費30万なら年収500万で約3万、800万で6万。家族の分は税率の高い人にまとめ、5年遡れる。対象の一覧は医療費控除はいくら戻るかの記事で書いた。
年末調整の3枚の書き方
年末調整の3枚は、①扶養控除等申告書、②基礎控除+配偶者+特定親族特別控除+所得金額調整控除の申告書、③保険料控除申告書。書き忘れが多いのは、家族の国民年金と国保を自分が払った分、iDeCo、地震保険、前職の源泉徴収票の5つで、漏れは5年間は確定申告で取り戻せる。1枚ずつの中身は年末調整の書き方の記事で書いた。
住宅ローン控除と転職・独立
住宅ローン控除は年末残高×0.7%が新築の省エネ住宅で13年・中古で10年、所得税で引き切れない分は住民税から最大97,500円まで引ける。転職しても消えず、手続きが年末調整か確定申告に変わるだけ。独立後に新規で組むのは確定申告3年分が要って厳しく、繰上げ返済は金利0.7%との比較で決める。詳しくは住宅ローン控除は転職しても続くかの記事で書いた。
子ども1人の教育費はいくらか
教育費は幼稚園から大学まで全部公立で約800万円、大学だけ私立文系で約1,000万円、小学校から私立なら2,300万円超。山は大学の入学初年度で、国公立でも100万円前後、私立文系で150万円前後が一度に出る。目標は高校卒業までに300万円で、児童手当(総額200万円前後)に手を付けずに貯めるのが柱になる。内訳は子ども1人の教育費はいくらかの記事で書いた。
よくある質問
上限を超えたかどうかは後で分かりますか?
翌年6月の住民税決定通知書で、寄附金税額控除の額を見る。寄附額−2,000円より少なければ、上限を超えていたことになる。
名義は誰でもいいですか?
寄附する本人の名義でないと控除されない。共働きなら、上限は各自の所得で決まるので、それぞれの名義で寄附する。
転職の資料をLINEで無料配布中
年収・家族構成・iDeCoや医療費控除の有無から上限を出し、ワンストップと確定申告のどちらを使うかを決める記入表を公式LINEで無料配布している。年収でなく、税額で決めよう。

