誕生月にねんきん定期便が届く。金額を見て、この額しかもらえないのかと不安になって、そのまま捨てている。どこを見ればいいのか、この数字が何を意味するのかが分からない。
50歳未満の金額は実績で、見込みではない。50歳未満の金額は「これまでの実績」。将来の見込みではない。見る4か所と、記録の抜けの探し方と、ねんきんネットの試算を書く。
先に一文で。ねんきん定期便は50歳未満なら「これまでの加入実績に応じた年金額」(今日時点の実績で、将来の見込みではない)、50歳以上なら「60歳まで今の条件が続いた場合の見込額」で、見るのは加入期間・納付額・年金額・直近1年の月別記録の4か所、35歳45歳59歳の封書で全期間を照合し、ねんきんネットで受給開始年齢を変えた試算ができる。
この記事の要点
- 50歳未満|これまでの実績で計算した額。将来の見込みではない
- 50歳以上|60歳まで今の条件が続いた場合の見込額
- 見るのは4か所|加入期間・納付額・年金額・直近1年の月別記録
- 記録の抜けは転職・退職・独立・改姓で起きる。年金事務所に照会できる
50歳未満と50歳以上で意味が違う
| 年齢 | 書かれている額 | 読み方 |
|---|---|---|
| 50歳未満 | これまでの加入実績に応じた年金額 | 今日時点の実績。これから納める分は入っていない |
| 50歳以上 | 老齢年金の見込額 | 今の条件が60歳まで続いた場合の見込み |
30代・40代の定期便に月2〜5万円しか載っていないのは、この仕組みによる。将来の額は、[年金は平均いくらもらえるかのデータ記事](/articles/data-nenkin-heikin-jukyuugaku-kousei-kokumin-2026)の式(平均年収×5.481/1000×加入月数+基礎年金)で自分で出すか、ねんきんネットで試算する。
ハガキで見る4か所
| # | 見るところ | 何を確認するか |
|---|---|---|
| 1 | これまでの年金加入期間 | 国民年金と厚生年金の月数。合計が受給資格期間120月(10年)以上あるか |
| 2 | これまでの保険料納付額 | 自分が払った累計(会社負担分は含まない) |
| 3 | 老齢年金の額 | 上の表の意味で読む |
| 4 | 直近1年間の月別の状況 | 月ごとの標準報酬月額・保険料・納付状況。未納や空白がないか |
4が最も重要。転職した月、退職した月、育休の期間に空白や未納がないかを見る。
記録の抜けが起きやすい4つの場面
| 場面 | 起きること |
|---|---|
| 転職 | 退職日の翌日に次の会社の資格取得がされておらず、1〜2ヶ月の空白(転職の空白期間の社会保険の記事) |
| 退職・独立 | 国民年金への切り替えを忘れて未納(退職後の年金の切り替え手続きの記事) |
| 改姓 | 旧姓の記録が統合されていない |
| 過去の短期の勤務 | 会社が社会保険の手続きをしていなかった |
未納は障害年金・遺族年金の要件にも関わるので、見つけたら早く直す(障害年金はいくらもらえるかの記事、遺族年金はいくらかの記事)。払えない時期は免除を申請しておけば、記録は残る(国民年金の免除の記事)。
35歳・45歳・59歳は封書
節目の年には、全期間の記録が載った封書が届く。これまでの職歴(会社名・在籍期間)と突き合わせて、抜けがないかを確認する。抜けを見つけたら、年金事務所に照会し、給与明細・雇用契約書・源泉徴収票などの資料で確認してもらう。確認できない場合は、年金記録の訂正請求という手続きもある。
ねんきんネットでできること
| できること | 内容 |
|---|---|
| 受給開始年齢を変えた試算 | 60〜75歳を1ヶ月単位で。繰上げ・繰下げの判断に使う(年金の繰上げと繰下げはどっちが得かの記事) |
| 働き方を変えた試算 | 給与が変わる、退職する、自営業になる場合 |
| 全期間の月別の加入記録 | ハガキより詳しい |
| 電子版の定期便 | ハガキの代わりに閲覧 |
マイナポータルと連携すれば、マイナンバーカードでログインできる。登録は数分で終わる。
独立した人が見ておくこと
フリーランスは第1号被保険者になり、厚生年金の上乗せが止まる。定期便の厚生年金の月数はそこで止まり、以後は国民年金の月数だけが増える。老後の不足額は老後の生活費はいくら足りないかのデータ記事、埋め方はフリーランスの老後資金の記事とiDeCoの上限引上げと節税額の記事で書いた。
私はフリーランス4年目で、定期便の厚生年金の月数は会社員時代の4社分で止まっている。独立の年に国民年金への切り替えをした月の記録も、翌年の定期便で確認した。年に1度、4か所を見るだけで、抜けは防げる。
よくある誤解
「定期便の金額が将来もらえる額」。50歳未満は実績、50歳以上は見込み。若い人の小さい数字は将来の額ではない。
「記録は自動で正しく管理されている」。転職・独立・改姓で抜けは起きる。年に1度、直近1年の月別記録を見る。
65歳までは義務、70歳までは努力義務
高年齢者雇用安定法により、65歳までの雇用確保措置(定年の引上げ・定年の廃止・継続雇用制度のいずれか)は会社の義務で、2025年4月に経過措置が終わって希望者全員が対象になった。70歳までの就業確保措置は努力義務で、定年引上げ・定年廃止・継続雇用・業務委託・社会貢献事業の5つから選ぶ形になる。働けることと条件が維持されることは別だ。中身は65歳まで働けるのは義務、70歳までは努力義務の記事で書いた。
よくある質問
定期便が届かない場合は?
住所が変わって届いていない可能性がある。会社員は会社経由で住所が登録され、独立後は自分で年金事務所に届け出る。ねんきんネットに登録すれば電子版で見られる。
加入期間が120月に足りない場合は?
受給資格期間は10年(120月)。足りない場合は、60歳以降の任意加入(国民年金)で増やせる。学生納付特例や免除の期間も受給資格期間には算入される。
独立と老後の資料をLINEで無料配布中
ねんきん定期便の4か所をチェックして、加入記録の抜けを職歴と突き合わせる記入表(ねんきんネットの試算の手順つき)を公式LINEで無料配布している。年に1度、10分で終わる。

